石油化学工業の功罪!? - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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石油化学工業の功罪!?

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これからの家づくりの視点 何が日本の家をダメにしてしまったのか?
 化石燃料は太古の昔の動植物の死骸が長い年月をかけて地下の熱と圧力によって変成してできたもので、植物が石炭に、そして、動物が石油や天然ガスになったと言う説が一般的に信じられていますが、本当のところはまだよく分かっていません。

しかし、石油は有史以来、燃える水としてその存在は知られていました。それが商業ベースで本格的に採掘、生産されるようになったのはやっと19世紀に入ってからのことです。

石炭はもう少し以前から燃料として用いられ、人類がはじめて手にした「動力」、即ち、蒸気機関の燃料として産業革命の立役者となった訳ですが、内燃機関が発達すると石油はさらに船舶や自動車の有効な燃料として欠かせないものになってゆきます。

しかし、石油を燃料としてだけ使っていた時代はまだ地球全体に対する負荷はそれほど大きくはありませんでした。

石油の需要が大幅に拡大したのは20世紀の半ば頃からのことです。米国デユポン社のカロザースによるナイロンの発明に象徴されるように、石油によって私達の生活の利便性を高める様々な化学製品が作れることを人類が知ってからのことです。

1950年の年間の原油の生産量が約35億バーレルだったのに対して2000年には240億バーレルに達し、20世紀前半の原油の生産量の総計は、20世紀前半の50年間に比べて14〜15倍にもなっているのです。

20世紀前半の50年間をガソリンの時代と呼ぶことができるとすれば、後半から現在までを石油化学の時代と呼んでいいでしょう。

このように、今問われている地球温暖化の問題は、20世紀後半の石油化学工業の発展による爆発的な石油資源の消費によるところが大きいのです。
(この点を踏まえて、次回は日本の家の大きな問題点について話しを進めましょう)

詳しくは木の家マニアの駆け込み寺