- 葛西 伸一
- 株式会社メンター・クラフト 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:人材育成
そもそもリーダーシップとは何か?
それは、人をひきつけ、統率し、設定したゴールに全員を導く行動である。
そのためには、さまざまな素養が必要となるが、行動特性をフレームワーク化するならば、
1.魅力ある目標設定(Goal)
2.その実現体制を構築(Achieve)
3.人々の意欲を高め(Motivation)
4.課題や障害を解決する行動(Solution)[/b]
GAMS(ギャムス)と覚える
である。
この行動、ふるまいだけならトレーニングでできるが、
真の意味で人を統率するならば、これらの行動を支える
4つの要素が必要になってくる。
それは、
Goal →”強い意志”と”全体(全社)最適”
(できるだけ多くの人たちが幸せになること)
Achieve →使える資源と選択肢を全て考える
(人、モノ、カネ、情報、人脈、道具を使って”道しるべ”を作る)
Motivation →意欲を原動力とする
(実行者にとって、うれしいことを発見し説明する)
Solution →実行者の立場になって障壁を考える
(一緒に解決策を考え、一肌脱ぐこと)
である。
つまり冒頭のGAMSを先行して振る舞い、行動特性を身につけることが
非常に重要だが、もし、これらの「4つの要素」がなければ、
長期において人を統率することは難しくなる。
そこで、具体的且つわかりやすく、GAMSのリーダーシップ行動を見ていきたい。
久し振りに3人の友人と再会。あなたなら、どんな方向へ導きますか?
あなた 「みんな!何食べたい?」
Aさん 「僕は、和食か中華なら・・・・」
Bさん 「最近、近くに美味しいって噂のイタリアンレストランができたので行ってみたいかな・・・」
Cさん 「私は、なんでもいいいかな・・・」
こんなシチュエーションは、日常で遭遇したことはないだろうか?
そんなとき、あなたならどう振る舞うか?
「せっかくの再会だから、楽しく美味しい食事をして、じっくり話したいね。」
(魅力あるゴール設定)G
「あそこの、中華飯店なら個室もあるから、円卓でゆっくり話ができて、安くてお腹いっぱい食べられるよ!」
(動機づけ・意欲の向上)M
「歩くとちょっと遠いけど、タクシーなら4人で1メーターだよ!」
(実現体制の構築)A
「混んでるといけないから、いますぐ電話で予約しておくよ!」
(障害・課題の解決)S
「さぁ!行こうか!楽しみだなぁー!」
(意欲向上)M
こんな行動をしている友人はみたことがないだろうか?
もし、こんなシーンにでくわしたなら、あなたはその人のことを、
きっと「いいリーダーシップだな」と思わないだろうか?
きっとこの人は、ビジネスにおいても素晴らしいリーダーシップを
発揮しているに違いない。
やはり、リーダーという役割だけでも行動しなければダメであり、
逆に、公式な役割がなくても、リーダーシップはとれることを覚え、
役職者になる前から、リーダーシップ行動を教育していく必要がある。
これらの行動によって、眠っていたリーダーシップ行動が目を覚ます可能性がある。
また、リーダーシップ行動を発揮していたが、いまひとつ何かが足りない人も、
このGAMSのフレームワークによって、その振る舞いがよりリーダーとして
ふさわしくなっていくのだ。
無論、もって生まれた素養が、有利に働くことは否定はできないが。
努力によって、誰でもリーダーとして振る舞い、
組織に良い結果をもたらすことす可能性を持っている。
これらの若手リーダー候補には、GAMSのフレームワークをより効果的な
行動にするために、常に次の4つの自己特性を忘れないでほしい。
自己成長努力
コミュニケーション・スキル
専門知識(業務・マネージメント)
ポジティブ・シンキング
そして・・・情熱だ。
ロジカルシンキング、リーダーシップ、交渉術などのスキルを学んでも、
やはり心の底に情熱がなければそのパワーは半減してしまうだろう。
その情熱は、会社を成長させたい、お客様を満足させたい、部下を育成したい、
自分が成長したい・・・などビジネスに良い結果をもたらす情熱ならば何でもよいのだ。
これらの要素を踏まえながら、ぜひともGAMSのフレームワークを活用してほしい。
氷河期世代に入社した現在の25歳〜35歳世代には、優秀な人材こそ多いが、
リーダー型人材がすくないと企業は嘆く。
しかし、彼らこそこのGAMSのフレームワークを習い、それを支える要素さえ
日々努力すれば、間違いなくよきリーダーとなれる。
周囲にリーダー型人材が少ない世代ならば、なおさらこのGAMSフレームワークで、
リーダーシップ行動をとることで多くの点で有利に働き、仕事も楽しくなるだろう。