営業マンはコストが低い状態から話し始める - 建築プロデュース - 専門家プロファイル

松岡 在丸
松岡在丸とハウジング・ワールド 
東京都
建築プロデューサー

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対象:住宅設計・構造

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営業マンはコストが低い状態から話し始める

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「当初、予想していたよりもお金が掛かった」

「予算は伝えていたのに、結果的に大幅に予算オーバーした」

これは、家づくりでは常に生じることです。

一般の方は多くの場合、総予算の話をしていますが、ところが営業マンからすると、自社の販売価格の話ということになります。

話の中にギャップがあるんです。


計画段階と工事段階で費用が異なる

家づくりのプランニングの時には、地盤調査や地盤補強、外構、そして室内設備と、ディスカッションの中には含まれないものがたくさんあります。ユーザーが心の中で思い描いている予算よりも少ない額を営業マンに伝えているとしても、ほとんどの場合はその額面を超えてもまだ足りず、心の中の予算ですらも大きく超えてしまうのです。

営業マンは、一番安い金額の話から始めます。標準仕様となるもの中からユーザーが満足できるものがあればよいのですが、ほとんどの場合、オプション仕様のものを選択したくなります。むしろ、オプション選択をしない限りは、それまでの住まいで不満に思っていたものが改善されないということが多々あるものなのです。

耐久性のある汚れにくい壁紙、調湿機能のある建材など、いい家にしたいほどオプションを選ばないといけません

標準仕様を高めに設定して、値下げしていくというプランニングはほとんどありません。


営業マンは自社の営業しかしない

「外構は提携している外構業者と話してください」

「地盤調査は提携している業者と話してください」

住宅展示場で契約した業者に全部お願いできるかと思ったら、そのようなトータルサービスには応じていない、ということも頻繁です。そのことを知らずに、看板に書いてある「坪単価」に踊らされてしまうことも。

家づくりは総予算の中から振り分けする必要があります。設計士さんたちが直営工事方式として総予算の中で配分を決めていくのに対し、メーカーや工務店、規格住宅を建てる業者の場合は、自分たちの販売している商品に対してのみの話を進めます。

ユーザーとそれらの業者との間には、「予算」という考え方にギャップがあるわけです。

家づくりの業者と契約してから第三者事業者による地盤調査が始まり、その調査会社が「地盤補強であと100万円必要です」と言ってくることも当たり前のように生じます。これだけでユーザーは「騙された」と感じて信頼を失うんです。


では、どうしたらよいのですか?

営業マンの述べる「コスト」は、自分の予算の中の何割を意味しているのかを考えましょう。

営業マンの提案は、最も安いケースを土台にしたプランから始まるという認識を持っておきましょう。

こうした判断を素人が下すのは難しいものです。だからこそ、家づくりは慎重に取り組まなければならないんですね。住宅展示場に行く前に、しっかり学んでおくべきことがたくさんあるんです

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