自己実現のための起業が通用しない時代 - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月15日更新

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自己実現のための起業が通用しない時代

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 最近は、利他と言う言葉がよく聞かれるようになりました。辞書には、「自分のことより他の人の幸福を願うこと」とあります。東日本大震災を経験して、利他精神がこの国に根付いています。個人と個人の生活においてばかりでなく、法人と個人のビジネスにおいても、利他精神は生かされています。

 ビジネスでの利他は、「人のために役立ち、人から必要とされる」ことと訳されます。それまでビジネスとは、自分のためにリスクを負って行う経済活動のことでした。5年くらい前からは、利他のための経済活動に変わっているように思います。従来よく使われた、自己実現のための起業が難しくなっています。

 過去に行われた宇都宮大大学院の調査では、「経営に失敗する人は、自己実現意欲が成功者よりも高い」と言う結果もでています。
 調査は、「情報を解析して規則性を導き出す「データマイニング」の手法を活用。栃木県内の優良企業7社と倒産企業6社の経営者の略歴や過去のインタビュー記事、業績推移などの資料を基に、1企業あたり、30人の学生が「心理的資質」「能力」「マネジメント」「社会的ヒストリー」の4領域計18項目を4段階で評価し、その平均値で経営者同士を比較」

 「違いが鮮明に現れたのは「心理的資質」の中の「自己実現意欲」の項目だった。ほかの「リーダーシップ」「コミュニケーション能力」などの5項目では優良企業側の評価が上回ったが、「自己実現意欲」だけは倒産企業側が上だった」

 利他精神で思い出すのは、「人間は人のためなら頑張れるが、自分のためには頑張れない」という言葉です。起業においても、少しでも人に役立つことなら起業家は頑張ります。お客さんの喜ぶ顔見たさに、全力で取り組みます。しかし、自分のためとなると、案外簡単に妥協して頑張ることを止めてしまいがちです。

 この「人のため」が現代の起業の重要なキーワードです。古くからの企業経営者が、「近頃は売り方が判らなくなった」の嘆く原因もここにあります。これから起業する人は、この利他精神を自分のモノにしてください。売り方の判らなくなった経営者の退場と入れ替えに、新たに起業する人の時代がきています。

【一言】
 時代の変わり目を意識できることはあまりないと思いますが、携帯電話が普及して、スマホへと切り替わる2000年代から今の時代は、正真正銘の時代の変わり目です。そのため、モバイル広告やアプリなど起業の種がどんどん生まれています。この新たな時代、初期費用も少なく済む、起業には最適な時代なのでしょうが、起業方法がこれまでとは変わっている気がします。

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