円相場が80円でビジネスした会社にとって、為替が100円になると25%の上昇になります。もし10%を商品に転嫁するにしても、お客さんの反応が心配です。今の時代、パンが高くなるなら、米にするといった具合に代替品はいくらでもあります。
起業する場合、開業する前から価格設定をどうするか、悩むことになります。元々がお客さんに知られていない開業当初は、そうそうお客さんは来てくれません。それでも来店客が少ないのは、価格が高いせいではないかと思いがちです。そこで価格設定に関して考えてみましょう。
一般に起業する人が採用しやすい価格設定は、周辺同業者の販売価格を参考にした設定です。競合店価格に大きな影響を受けた設定方法で、新規開業した起業家にとっては、最も思いつきやすい価格です。この場合、既存店より安い価格を設定しがちですから、どうしても価格競争になります。
商品によりましては、競合店の存在を無視して、お客さんから見ていくらなら買ってもらえるか、マーケティングした上での価格設定があります。本来の価格設定は、この方法が王道なのですが、手間がかかったり、ノウハウが必要なところから意外と少ないです。
他にも、お店都合による価格設定があります。仕入れ値に対して利益幅をプラスして価格を決めます。競合店が扱っていない新商品の場合は、この方法が採用されます。ビジネスに不慣れな起業家もこの方法を採用しがちですが、お客さんの支持を受けるには強力な商品力が必要です。
複数の商品を扱う場合には、商品ごとに看板商品や金庫番商品といった、お店の事情によって価格を変える方法もあります。今は価格設定がとても難しい時期です。今後、デフレからインフレに切り替わると、価格設定はますます難しくなります。早めに設定の準備をして、後手に回らないようにしましょう。
【一言】
もし、デフレからインフレに本当に切り替わったら、新たに起業する人にはチャンスと思います。ほとんどの既存経営者は、デフレ経済に10年以上も慣れ親しんでいますから、経営上のミスを相当犯すと思われます。逆に、しっかりインフレの仕組みを学んだ起業家の方が、ミスを減らして思い切った経営ができそうです。起業経営相談はこちらからです。
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