- 坪内 康将
- 独学指導者
- 愛知県
- 塾講師
対象:子供の教育・受験
私以外のスタッフの1番の仕事は授業をすることではありません。
塾屋の場合は「確認テスト」が1番の仕事です。
塾では全ての勉強、授業に対して
「教わる・勉強した→終わり」にはしません。
「教わる・勉強した→確認テスト→合格する=できる」
になって始めて完了とします。
なので、私たちの仕事は良い授業を提供して終わりではなく、
確認テストで、できるのか、理解しているのかをテストすることまで含まれます。
「確認テスト」と書きましたが、この確認テストは
教材会社の教材のテストでもなければ、授業中のプリントをそのまま出すことはしません。
それだと、そのまま暗記に持ち込んでしまったり、その内容の本質まで測ることができないからです。
塾屋の確認テストは、例えば、こんな感じです。
ケース1:「高校生、英文法の場合」
問題:この例文はto meとなっていますが、forになるときもありますよね。
その違いを説明し、それぞれの動詞を2つずつ挙げてください。
例文 He gives two books to me.
ケース2:「中学生、数学の文字式の場合」
問題:授業中に偶数は2nで奇数は2n+1と表すとありましたが、2n-1でも奇数ですか。
また、7の倍数をnを使って表しましょう。
ケース3:「小学生、算数の文章題の場合」
問題:この文章題を式を書いて答えまで出してください。
また、1つ1つの式に書かれている数字について質問するので、説明をしてください。
どの問題も、答えを暗記していたら正解できません。
授業中に話した説明や、参考書やワークにあった説明まで読み込まないと正解できません。
だから、入塾する前まで
答えを暗記する勉強で成績が良かった生徒は最初は全く正解しません。
これは、学年が上がっても同じです。進学校の高校生でも最初、ずっと正解しない生徒もいます。
まずは、通用しないという事実を突きつけることが必要です。
そこで生徒は次第に理解していきます。
「あー、今の自分の勉強では通用しないんだな」と。
そこから、私が勉強方法を指導したり、自分で試行錯誤して合格できるようになっていきます。
これが塾屋の生徒が大変身する最初の変化です。
こうした確認テストを全スタッフが日々行っていると
出し方、難易度は研修や会議で合わせてあるものの、その中でも細かい違いがあるようです。
それを、ある中学生がこんな例えをしていました。
「K先生は、問題自体はそのままだけど、必ず説明を出す。野球でいうストレートが多い。H先生は難しくして自分に攻め込んでくる感じ。だからシュートみたいな問題。だけど、T先生は本質を突いてきたり、意外な問題を出したりと相手によって全く違っていろんな方向から出される。ダルビッシュみたいな感じ」
おもしろい例え話ですね。
どんなピッチャーの球でも、その球はバッター(生徒)を研究して投げてきます。
それをきちんと打ち返せるくらいに、自分の弱点や未熟な点を克服した勉強をしてほしいですね。
本当の個別指導というのは、生徒によって「私だけ」と感じる指導のことだと考えています。
ただ形式上、1対1、1対3でも実際には放置されている授業も多々あります。
塾屋の確認テスト、勉強方法へのアドバイスは生徒1人1人によって変わる「本当の個別指導」です。
スタッフも徐々に「確認テストこそ生徒にできる一番の仕事だ」とわかってきて、そこに「やりがい」を感じることでしょう。
前途の野球で言えば、私がバッティングコーチで、スタッフは生徒専属のバッティングピッチャーといった役割でしょうか。
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