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大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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閲覧数順 2024年04月19日更新

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「とにかく一番になりたいだけ・・・」ー日本の教育改革

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日本の英語教育
安部内閣の中央教育審議会が30項目に重点をおいた教育改革案を発表しました。

Critical Thinking 欠如のお粗末で、いかにも日本的曖昧な内容に笑ってしまいました。

もしこれがビジネスプランなら、失敗が確約された内容ということで、審議会メンバー全員解雇ものだと思います。

目的はえらく威勢いいですよ、中身が空っぽですが。


目的1! 欧米主要国を上回る質の高い教育の実現を目指す!

でも・・・ 公的な教育投資はOECD平均(つまり欧米主要国並み)の対GDP比5.8%には出来ないから・・・今の日本の教育投資3.8%を引きあげることは難しい・・・・。

あれあれ?

「お金は使わないよ~。 でも欧米より上になるよ~。」 どうやって?

 

目的2! 国際的な学力調査でトップレベルを目指す!! (恐らくOECDのPISAテストを指していると思われますが)

具体的な方法として、土曜授業の復活、高校での学力到達度テストの導入、情報通信技術を活用した双方向学習の推進(推進?)。

あの、折角ですが、PISA Test の目的を知らないようですね。 小中高校を通じて学習したことを将来社会にどのような還元出来る能力をつけているか。 

つまり、脳に蓄積されている情報をCritical Thinking を使い、いかにpractical に分析(analyze)出来るかをみるのがPISA Test です。 子供の自由時間を奪い、考える時間を削り、今まで通りの暗記授業の事実丸暗記を試すテストをいかに増やしても逆効果ということすらわかっていないことに笑ってしまいました。 

今まで行って来た教育方法が間違っていたという認識はまったくないのですね。 ただ時間が足りなかっただけ?だそうです。 
Will more of the same things work? NO!!

更に、「情報通信技術を活用した双方向学習の推進?」まったく意味がわかりません。 しかも実行するのではなく「推進」ですか。 むむ・・・。


目的3! 大学教育ではグローバル社会で活躍できる人材の育成!!

30年までに日本人留学生を倍の13万人に増やす・・そうです。 どうやるのかはわかりません。 なぜ増やすのかの理由も明確ではありません。 外国にお遊びに数カ月。 こんなことに何人送っても時間の無駄ですよ。

学生の自習時間を国際水準に高めるため(日本の大学生は勉強しないので悪名高いですね)、授業の質を変える。 どうやって? 自習時間とは何のために使うのか、大学とは何をするところなのかの定義もなしで、Howがまったく思い浮かばない目的だけが威勢がいいです。

Critical Thinking の基盤を小中高校で育てない日本の教育を受け、どんな大学に上がろうとも、欧米と同じレベルの内容は無理です。 「自分で考える」ことが出来ないからです。 「自分で考えない」から、自習?は?という大学生であふれているのが現在の日本の現状だと思います。


この結果を受け政府は、「教育再生に向けた具体的な道筋を示していただいた。」と。

日本の若いひとたちの言葉を借りると、「マジっすか?」 冗談でしょ?

しかし、目的をもう一度読み返してみると、日本の教育の定義とは「国際的に計れるテストでトップレベルになる」ことのようです。 学力も、勉強時間も。 そこに固執しています。

教育を社会に生かすとかは、どうでもいい、「とにかく一番になりたい!」 が見え見えの気がします。

もし、それだけが目的なら、こんな案はどうでしょう、はは。

TOEFLが恐ろしく出来ない日本人が、日本の暗記勉強向けに、英検に毛の生えたような日本式テストTOEIC を発明したように、日本人の丸暗記勉強のみを試す国際テストを作ったら解決しますよ。 そのテストに、日本が援助している発展途上国を招待して、ランキングの仲間入りをしてもらいます。 その中で日本がトップだと国際的に発表すればどうでしょう?

な~んて案まで推薦したくなるようなひどい内容の教育改革。 

Critical Thinking が教育に顔を出すのはいつになるのでしょうか。 

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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