中国知財訴訟が急増 - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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中国知財訴訟が急増

河野特許事務所 2013年5月27日 執筆者:弁理士 河野 英仁

 

  中国最高人民法院は2013年3月21日知的財産権訴訟に関する保護状況を発表した。最高人民法院によれば2012年度全国人民法院が受理した知的財産権訴訟第1審案件は87,419件であり、前年度に対し45.99%の増加であった。以下に知的財産権民事第1審案件の受理件数の推移を示す。

 

 

 

 中国特許出願及び商標出願の増加と、知的財産権保護意識の高まりにより、知的財産権訴訟が急増している。日本企業の現地法人が特許権侵害により提訴される事件も増加しており、大連にある日本のバルブ製造メーカ現地法人が中国企業から実用新型特許権の侵害であるとして提訴された。最終的には人民法院から当該現地法人に被疑侵害製品の即時差し止め及び損害賠償命令が下された。

 

 近年では、基本的な技術及び製品の周辺領域を固める実用新型特許出願が数多くなされ(2012年度で74万件)、権利化される傾向にある。その上、実用新型特許の創造性のレベルは低いため、簡単には無効としにくい特性をもつ。従って、日本企業が中国で製品を製造、販売、輸出入する場合、競合他社特許(発明特許及び実用新型特許)を調査すると共に、最低限自社製品を安心して販売できるよう実施品に対応する発明特許または実用新型特許出願をしておくべきである。先使用権の主張、公然実施による無効の主張は立証が困難であり最後の最後の手段と考えておいた方が良い。

 

以上

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