遺言信託と遺言代用信託の違い - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年08月18日更新

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遺言信託と遺言代用信託の違い

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遺言信託と遺言代用信託の違い   

(ⅰ)遺言信託

 遺言信託と呼ばれものには、2つのものがあります。

 一つは、信託銀行が行っている、遺言の作成支援・保管・執行のことです。すなわち、遺言を行おうとする者に対して、その作成支援・保管をサポートし、遺言執行者として遺言内容の実現を図る業務を信託銀行が取り扱うものです。この遺言信託は、通常の遺言と異なる何か特別なことができるわけではありません。

 もう一つは、遺言により設定を行う信託のことです(信託法3条2号)。すなわち、信託銀行が受託者となり、委託者の死亡時に委託者の財産が信託銀行に移転するものです。

(ⅱ)遺言代用信託 

 これに対して、遺言代用信託とは、委託者が死亡したときに、指定されている者が受益権を取得する旨の定めのある信託、または委託者の死亡後、受益者が信託から給付を受ける権利を取得する旨の定めがある信託をいいます(信託法90条)。

 遺言代用信託は、たとえば、経営者自らを受益者としておき、経営者死亡時に後継者を受益者にするというものが典型例として考えられます。

 遺言により後継者に相続させる場合との相違点は、①遺言はいつでも撤回される可能性があり(民法1026条参照)、後継者の地位が安定しないのに対し、遺言代用信託においては、経営者たる委託者が受益者変更権を有しない旨を定めれば、後継者が確実に受益権を取得することができ、その地位が安定することや、②遺言の場合、その執行に時間がかかり経営の空白域が生じるのに対し、遺言代用信託においては、後継者は、経営者の相続開始と同時に受益者となることから、経営の空白域が生じない点にあります。

 遺言により設定を行う信託との相違点は、①遺言代用信託は、委託者が生前に信託契約で信託を設定するものでありますから、民法で定められた遺言の方式に従う必要がないことや、②遺言により設定を行う信託の場合、受託者として指定された者が受託者に就任してくれる保証がありませんが、遺言代用信託では、委託者の生前に信託契約の効力が生じているので、このような問題が起こりえない点にあります。

 ほかにも、遺言代用信託において、現経営者が生前に認知症等で意思能力を欠いた状態になった場合には、受託者の裁量で信託財産を管理することができると定めれば、一種の任意後見のような機能を持たせることもできます。

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