相続その9(遺言) - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:民事家事・生活トラブル

鈴木 祥平
鈴木 祥平
(弁護士)
村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月20日更新

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相続その9(遺言)

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相続
■遺言

満15歳になれば、遺言をすることができます(民法961条)。
遺言が民法の定める方式に従っていない場合(民法960条)、遺言者に遺言能力がない場合(民法963条)、被後見人が、後見の計算終了前に、後見人又はその配偶者・直系卑属の利益となるべき遺言をした場合(直系血族、配偶者、兄弟姉妹が後見人である場合を除く)(民法966条)、2人以上の者が共同でした遺言(民法975条)には、遺言が無効となります。


●包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します(民法990条)。したがって、包括受遺者と相続人とは、遺産については遺産分割協議をすることになります。

●負担付遺贈
負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負います(民法1002条1項)。例えば、「認知症のAの介護を見ること」という負担と引き換えに「土地建物を遺贈をする」ことが考えられます。
また、受遺者が遺贈の放棄をした場合には、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができます。ただし、遺言者がその遺言に別 段の意思表示をした場合は、その意思に従います(民法1002条2項)。
また、負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復(遺留分減殺請求)の訴えによって減少した場合には、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れます。ただし、遺言者がその遺言に別 段の意思表示をした場合は、その意思に従います(民法1003条)。

●遺言書の検認
自筆証書、秘密証書の遺言書の保管者が相続があったことを知った後遅滞なく、家庭裁判所に検認を請求しなければなりません。遺言書の保管者がなく相続人が遺言書を発見した場合も同様です。封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ開封することができません(民法1004条)。
遺言書の提出を怠り、検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外において開封をした者は、5万円以下の過料に処せられます(民法1005条)。
遺言書の検認は、遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定してその現状を明確にするものであって、遺言書の実体上の有効・無効を決めるものではありません(大決大正4年1月16日)。

●遺言執行者
遺言で、遺言者は、1人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます(民法1006条)。
未成年者、破産者は、遺言執行者となることができません(民法1009条)。遺言執行者には、相続人、受遺者でも、なることができます。  遺言執行者がない場合、又はなくなった場合には、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、遺言執行者を選任します(民法1010条)。
遺言執行者が就任を承諾した場合には、直ちにその任務を行わなければなりません(民法1007条)。遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければなりません(民法1011条)。
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条)。

●遺言の撤回
遺言者は、後の遺言によって、又は、生前処分その他の法律行為によって、いつでも、遺言の全部又は一部を撤回することができます(民法1022、1023条)。
遺言者が故意に遺言書を破棄した場合は、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされます。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄した場合も、同様です(民法1024条)。
撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至った場合でも、その効力を回復しません。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りではありません(民法1025条)。ただし、例外的に、撤回の遺言が撤回され、遺言者が最初にした遺言を復活させようと希望したことが明らかな場合には、最初にした遺言が復活します(最判平成9年11月13日)。もっとも、最初の遺言の復活と同じ効果 をあげようとすれば、新たな遺言をすれば済むのですから、このような紛らわしい方法を取るべきではないでしょう。

●負担付遺言の取消し
負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しない場合は、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができ、期間内に履行がない場合は、その負担付遺贈にかかる遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができます(民法1027条)。