ジャパニーズ・ポップスというと若者向けの音楽。
過去にはこう言われていましたが、今は昔。
ポップスやニューミュージックで注目を集めたアーティストも大物と呼ばれ、還暦を迎える年齢になりました。
還暦というと「えっ、もうそんな年?」と驚くことも少なくなりました。
年齢を感じさせない若さ、しかし音楽の引き出しが多彩で第一線を走り続けている。
山下達郎のその一人でしょう。
「Tatsuro Yamashita OPUS ALL TIME BEST 1975-2012」
1975年にシュガー・ベイブの「DOWN TOWN」から2012年「愛を教えて」までの全49曲、3枚組みの超豪華なベストアルバムです。
しかし泣く泣く収録を諦めた曲も多くあったと本人も語っているように、当然このディスクからこぼれ落ちた多数の名曲もあります。
これはベスト版の宿命なのでしょう。
彼の作った楽曲の中にはアコースティック楽器、コンピュータプログラミングなど、その楽曲に合うよう絶妙なアレンジがされています。
その中でアレンジ、特にストリングスアレンジでは服部克久の名が多数クレジットされています。
服部のアレンジは一言で言うと、美しい。
その美しさは夕日のような美しさ。
「希望という名の光」「FOREVER MINE」のストリングスの無垢な響きが心の奥底まで染み渡ります。
ロンドンのアビーロード・スタジオで収録された楽曲もあり、楽曲を引き立てるアレンジャーとして山下から服部への厚い信頼感が伝わります。
服部克久のアレンジといえばクリスマスの頃に流れるフライドチキンのCM、竹内まりやの歌う「すてきなホリデイ」のアレンジも好きです。
ドラムも上原裕、村上秀一、青山純、小笠原拓海と錚々たる顔ぶれ。
うまいし、いい音だし。(当然か…)
山下達郎のような年を重ねるほど音楽の幅や厚みを増し、人々の生活の傍らに寄り添う、そんなアーティストを目指していきたい、そう思います。おこがましいですが。
このコラムの執筆専門家
- 成澤 利幸
- (長野県 / 音楽家、打楽器奏者)
- 成澤打楽器音楽教室
音楽はみんなのもの
楽器の演奏は専門家からのちょっとしたアドバイスによりスムーズに上達したり音楽の奥深さに触れることがあります。ドラムやマリンバ、いろいろな打楽器のレッスンを通して皆さんのお力になれればと思います。
このコラムに類似したコラム
スティックを手に入れたあとは、いよいよ…! 新谷 康二郎 - 音楽講師(2011/04/07 14:52)
ららら♪クラシック「鬼才ノリントンの音楽」 成澤 利幸 - 音楽家、打楽器奏者(2012/05/28 15:27)
ドラムセットがなくても。~練習の環境作り~ 新谷 康二郎 - 音楽講師(2011/04/09 16:20)
2013年度全日本吹奏楽コンクール課題曲5流砂 山澤 洋之 - 音楽家(2013/07/18 12:11)
スネアドラムをメンテナンス 成澤 利幸 - 音楽家、打楽器奏者(2013/06/24 16:09)