- 森岡 篤
- 有限会社パルティータ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
パネリストは、
神田 順氏(東大教授)
佐藤 淳氏(構造設計家)
古川 保氏(伝統工法設計家)
馬淵 澄夫氏(民主党衆議院議員)
昨年6月に改正された建築基準法のさまざまな問題点について、前半で発表し、後半はパネルディスカッションを行うものでした。
建築基準法改正でいつも大きな問題と感じることは、内容がとても専門的であるために(特に構造関係)、一般の方にほとんど本質が伝わっていないことです。
シンポジウムでも報告がありましたが、建築関係者へのアンケートでは95%以上が今回の改正が良くないと答えるのに対し、一般人へのアンケートでは、基準法の改正を知っている人が34%、その内改正が良い内容だと答えた人が55%だそうです。
マスコミ報道では、
姉歯事件を受けて、建築基準法が厳格化された
準備不足で拙速に実施したため、住宅、マンションの着工件数が大きく落ち込んでしまった
としか伝えられていないので、この結果は無理ないでしょう。
私も、一般の方に基準法改正の問題点を説明するのにとても苦慮しています。
多くの政治家は、「方向性は間違っていないのだけど、準備不足で急ぎ過ぎたことが悪かった」、というような認識ではないかと思います。
そんな中、馬淵議員は、正確な過去の事実認識と、確認制度そのものの本質的問題点、日本の今後あるべき建築審査方法について、深い知見を持たれていることに驚きました。
政治家でたとえ一人でもそういう方がいることに、希望の光が見えたように感じました。