- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
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「ある店で実施したアルバイトの募集方法が、他の店でも上手く行くとは限らないんです」
先日お会いした、コンビニエンスストアのスーパーバイザーが困惑した顔で言われていました。
それは、本社で行われたエリア会議でのことでした。
ある店舗で行っていたアルバイト募集の成功事例が、会議で発表されました。
その店は、店頭に掲出してある「アルバイト募集ポスター」に店舗スタッフが、手書きのPOPを作って貼り付けていたのです。
「個性豊かなスタッフがたくさんいます!私たちと一緒に働きませんか?」
「この時間に働ける仲間を募集しています。楽しいお店ですよ!」
この手作りPOPには、店舗スタッフの新しい仲間への想いが溢れんばかりに表現されています。
そして、そのスタッフ達の実際の新人スタッフに対する歓迎ぶりは、それはそれは温かいものです。
しかし、エリア会議でこの成功事例を聞いた、営業部長の反応が非常に良かったことから、同僚のスーパーバイザー達は、「それいいね~POPの作り方教えて!」「ちょっと、A店(成功事例の店)に行ってどんなPOPなのかを見てこようかな」と次々に関心を寄せてきたのです。
上司や仲間が関心を寄せてくれるのは嬉しいものの、やはりこのスーパーバイザーは、困惑したままでした。
というのも、自分が担当している他の店では、この成功店ほどの効果は出ていなかったのです。
彼は、今まさにそれの分析をして、他の店ではどうしたら良いかを検証中なのです。
彼は言いました。
「成功事例は、あくまでこのA店の環境と条件が揃っての成功事例。他店では、その店の環境や条件を整えないと上手くは行かないんです。」
チェーン展開している企業では、どこかの店舗で上手く行った方法を横展開して、他店舗でも積極的に導入することを進めます。
実証された事例があるので、それが、成功のための近道だからです。
しかし、成功事例の表面だけを真似しても、実は全然上手く行かないのです。
成功事例には、成功するための環境と条件があり、それを元に高い意欲で実行しているから上手く行くのです。
このA店でのリクルートの成功要因は、
①店舗の立地条件に合ったPOPの出し方をした(店舗前が食品スーパー)
②ターゲットは、自店舗のお客様そのもの
③店舗スタッフ全員が、新人募集に関わり、新人スタッフを大歓迎するムードが完成している
つまり、そのお店のある地域地域で、相手軸に立つと言うことなのです。
目の前のお客様は、いつも同じでは無い、なので、同じように機械的に表面だけ真似しても上手くは行かない。
と言うことです。
POP自体は、その成功要因のひとつに過ぎません。
彼は、それを懸念して事例発表でもそこを強調したつもりでしたが・・・
人は表面的なおもしろさに一番食いつくようです。
結局、POPの作り方ばかりに関心が行ってしまいました。
気を取り直した彼は、現在別の店でで、アルバイト募集のノウハウをもっとしっかりと固めようと、調査と分析を始めました。
それは、店舗の販促活動にも繋がるとてもベーシックな方法でした。
詳しくは、明日に続きます
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