堅固建物・非堅固建物の区別 - 住宅・不動産の法律問題 - 専門家プロファイル

矢崎 史生
矢崎不動産オフィス株式会社 代表取締役 矢崎史生
東京都
不動産コンサルタント

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対象:住宅・不動産トラブル

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堅固建物・非堅固建物の区別

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借地権に関するコラム

今回は、堅固建物・非堅固建物の区別に関して記載させて頂きます。

ご存じの方も多いとは思いますが、借地法では建物構造により契約期間が異なります。

 

「堅固な建物」・・・・契約期間60年(30年以上) 「石造、土造、煉瓦造又は之に類する構造」

「非堅固な建物」・・・契約期間30年(20年以上) 「上記以外の建物」

※借地法第2条

 

なお、上記の「石造、土造、煉瓦造」などの構造は、現在の工法ではほとんど確認できません。

借地法が制定された当時と現在では、建築方法や建築技術が大幅に変化しており、当時の工法をそのまま当てはめることは難しくなっております。よって、現在では、堅固な建物は、「鉄筋コンクリート造・重量鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造」などが該当します。 

しかし、現在の建築技術は高度になり、上記にあてはまらない構造や、複数の建材にて建築しており「堅固な建物」と「非堅固な建物」のどちらに該当するか、判断に困る場合があります。

  

この様な場合、建物が堅固・非堅固かの区別は、構造や建材だけではなく、

「建物の耐久性・耐震性および解体の難易度をも考慮して決定すべきもの」

と判示されております。

(※東京地裁昭和52年10月31日判決 判決文一部抜粋)

 

下記は、参考の判例です。

===================================

<1階構造が鉄骨造の工場、主たる構造が木造の場合において、非堅固建物と判断されたケース>

 

裁判所の判断

「1階工場部分は建築材料として鋼材を使用しており、通常の木造住宅と比較するとその耐用年数が長い事は明らかであるが、主要たる構造がボルト締め組み立て式で取り外しも簡易であり、また、解体も比較的容易である事から堅固性に欠ける部分が見られる。よって、諸点を勘案し、本建物は 堅固な建物に該当しないといえる。」

 ※最高裁昭和48年10月5日

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