
- 須藤 利究
- 有限会社RIKYU・コンサルティング 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
昨年夏からサブプライム問題は欧米政府の金融政策にも係わらずなかなか出口が見えません。
本来融資自体が無理な層に「頭金不要」「元金の据置で金利のみ」等で新型ローンを投入したことや住宅価格は下がらないという神話に依存した高リスク商品であったようです。
それで思いだしたのが、わが国の住宅金融公庫と都の住宅融資のことでした。
住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)にバブル崩壊後の経済・財政政策の一つで融資枠や条件が緩和されました。主なものが「ゆとり償還制度」です。
ゆとり償還は最初の5年が極端に低く設定され、5年後以降急激返済額が上がる仕組みのもの。最初の5年間は75年返済の金額にして6年目以降でその不足分が増額される仕組みでした。
特に中古物件は元々の返済期間が短いので6年目から返済額はほぼ倍ぐらいになり、当然ながら返済の遅延は急激に増えました。返済が約2倍に増えた事例もありました。
その結果、延滞対策として「条件変更」という期間の延長制度を公庫が導入しました。
政府の経済対策で出来た制度なので、公庫自体を責められませんが、多重債務者を作ったのは確かだと思います。
その他に既に忘れ去られた制度で住宅金融公庫融資が前提に補助する東京都の住宅融資もありました。
住宅金融公庫の80%融資と都が頭金を融資する制度でした。東京都の提携金融機関のみが扱っていたので認知度は低いかも知れませんが、全額東京都の保証でした。既にかなり前に制度そのものがなくなりました。
東京都はどれだけのリスクが伴う仕組みなのか理解していなかったと思います。
この制度は住宅金融公庫の融資とセット利用でした。そして住宅金融公庫分はとっくの昔に競売が終了しているにも係わらず、都の住宅融資分だけが相当期間残ったままになっていました。