地震の強さを表す単位は複数あります。それらの単位は地震の一部の側面しか捉えていませんので、様々な誤解が生まれます。単位全ての概要を把握していないと地震の実態を掴む事が出来ません。単位の概要を把握して、地震の実態を正しく把握することにより、将来襲うと思われる地震の対策が可能となるのです。
津波に関しては、船の様な家を造らない限り防ぎようがありませんが、地震は打つ手が幾らでもあります。
地震そのものの大きさを表す単位としてマグニチュードがあります。マグニチュードは地震エネルギーの単位で、マグニチュードが大きい程大きい地震だと言えます。但し地震は、遠くで発生するのと、近くで発生するのでは、被害が随分異なります。
生駒山よりも富士山の方が高いのは誰もが知っていますが、大阪から両者を見比べれば、生駒山は高くそびえて見えますが、富士山は影もカタチもありません。マグニチュードも直接の被害を表現する単位ではないのです。
また、マグニチュードは微細の地震から巨大地震まで一枚のグラフで表現しますので、対数グラフを用います。対数グラフは一般のグラフと違い、ひとメモリ単位が違うと、二乗倍の開きがあります。一般のグラフで表現すると、紙面から飛び出してしまうほど大きな値も表現出来ます。しかしそのことが一般の人にはマグニチュードが判りづらくしている要因にもなっています。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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