大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「教師」とは何をする人ですか?」 - 専門家プロファイル

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「教師」とは何をする人ですか?

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クリティカルシンキング 2012-08-30 14:58

日本の教育において、「教師」の定義とは何でしょうか。 「教師」とは「教える」職業ですよね。 辞書には「学校などで学業、技芸を教える人」とあります。 この定義が逸れてしまっていることに、日本の教育の衰退原因があると思います。 そして若者の深刻な迷いもここに起因している可能性があります。

文科省の言によると。

「いじめは不登校など複雑化する学校の課題に対応するには、現在のように大学の4年間で基礎的な知識や技能を学ぶだけでは不十分だとしている。 この上で、大学院での修士課程まで履修する必要があるとしている。」だそうです。

あれ? 

「教師」に修士課程を必修にする理由は、子供たちが学習することに大いなる興味を持ち、個々に異なる能力をいかんなく発揮出来るのを助けられるだけの十分な専門知識を持つため・・・ではないのですね。

「いじめや不登校などの課題に対応する」ため・・・ですか?

Critical Thinking の基本、"Define your terms” (何を語っているのかまず定義)がまったくないですね。

「教える」ことを求めずに「いじめや不登校に対応」する教師を養成したい日本の国。 ますます「学ぶ」意欲から遠ざかる子供の姿が見えて来ます。

もうひとつCritical Thinking の基本、”Ask Questions.” (なぜなのか考えよう。)も、どこかに吹っ飛んでます。

なぜ、日本の学校現場では陰湿ないじめが横行し、不登校が大問題になっているのか? それを考えもせずに、ただ単に「対応」だけしている大人達が一番の問題だと思います。 教育の問題のみならず、すべての問題について、「なぜ」なのかを考える能力もなく、「対応」しかしていないことが日本の問題だと強く感じます。

いじめも不登校も何ら解決の糸口さえも見えず、若い、本来なら希望いっぱいの若者を、迷い迷った社会に放り出すだけの教育。 その根本問題のひとつが、「教師」の定義すら一貫していない現実だとまたまた実感した文科省の発表でした。

こんな事を思い出しました。

子供がまだ小学校の頃です。 例の「家庭訪問」なるもの」があり、若い男性教師がやって来ました。 

「私の目的は、学級をひとつにまとめ、しっかりと躾をすることです。」と、宣言した教師に、私がやさしい言葉で語ったキツイ内容とは、

「あのね、先生。 熱意はよくわかりますけどね、躾については親に独自の方針がありますよ。 担任の教師を、(子供の育て方)の専門知識で選べるならともかく、まったく考え方も違うかも知れない人に、(しっかり躾)されたくないですねぇ。 親が先生に期待することは、子供の学ぶ意欲を失わせず、常に好奇心を持って新しい知識を吸収出来る手助けをしてほしいことです。 躾なんて頑張らずに、そちらに専念して下さいね。」

目を丸くして聞いていたのを覚えています。 なぜかその後、その若い教師とはうまくコミュニケーション出来ましたね。

その後、残念ながら、ほとんどの「日本の教師」の定義と私の定義とがまったく異なることに気付き、「これは大変。 子供が破壊される!」と子供たちをカナダの教育制度下に退避させる結果になりました。

未だに変わってないようですね、「教師」の定義は。

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