大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「Critical Thinking 最後の重要なステップ」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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Critical Thinking 最後の重要なステップ

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クリティカルシンキング 2012-04-17 20:45

世界の標準の思考法、英語圏の教育が目的とする科学的論理的思考法。
大まかに8つのステップを紹介して来ました。  いよいよ最後。
Critical Thinking Step 8 (Tolerate uncertainty.)  100%明確な答えはないと認識すること。

この最後のステップが実は一番難しいかも知れません。 特に日本人には。

Step 8: Tolerate uncertainty.
(誰も100%保証する答えは出してくれません。 その不確実さと共生することが生きるということ。)

科学的・論理的に考えてかなり精度の高い答えを出すことも可能です。

例えば、「日本語環境で育つ幼児への早期英語教育は効果がない」
多くの科学的研究が証明しています。

それでも、その科学を無視して、多くの日本の子供が自由時間を奪われ、無駄な「英語ごっこ」に追い立てられます。
もちろん、中には非常に効果の出る子供もいるかもしれません。
その場合は、Critical Thinking Step 7 で説明したように、その子だけに考えられる要因があるのかも知れません。

例えば、非常に脳の分析能力が高いとか。 
そんな子供は、誰が何をいつ教えるかとかはまったく関係ないと思います。 自分で学ぶ能力が並はずれているだけです。
しかし、それを他の一般の子供たちに当てはめるのは間違いですね。 
一般の子供についての研究結果がNOを示していますから。

「じゃあ、どうしたらいいんですか?!」

「残念ながら現在の一番確実な答えは、科学的に見て効果がないということしかありません。」
つまり、効果のない英語教育はやめにしておくことが賢明だと思います。

なかには、答えのヒントすら見つからないこともあります。

私が研究している「日本人に見られる英語学習障害」です。
科学的には、脳ないネットワークのスピードが遅い、短期メモリーの容量が少ないのではないか程度しかわかっていない「学習障害」そのもの。

ましてや、日本人の英語学習障害に至っては研究自体が存在していません。
そんな中、手さぐり状態です。
子供の過去の出来ごと、現在のトラブル、学校での結果の詳細などなど。 ありとあらゆる情報から、数少ない科学的証拠に合わせてひとつひとつ丁寧に考えていきます。

「解決法はないんですか?」「何か教材を紹介して下さい」という声が多いですが、現在のところは特効薬のようなものはありません、残念ながら。 個々に丁寧に対応していくことが最良の方法です。

しかし、なかなかその不確実さを理解していただくことは難しいようですね。
医者に「絶対確実な診断は?絶対治る方法を教えて下さい!」と要求する患者と同じように、必死で「答え」を求める場合があります。

医者は何でも治せる人ではないし、専門家は何でも知っている人ではありません。
複雑な問題ほど、ありとあらゆる答えが存在すると知っている人だと思います。

そんなTolerate uncertainty.
100%の答えがない時にはまた最初のステップ Why にもどります。

これがCritical Thinking の非常に大まかな説明でした。
北アメリカや西欧では、この能力をつけることが高校までの教育のゴールです。
何年も訓練してやっと理解出来る考え方です。

私が直接教える高校生や社会人は、うんうんうなりながら授業を受けています。

体験したい方はご連絡下さい。

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