大澤 眞知子(クリティカルシンキング/バイリンガル教育)- コラム「カナダクラブのバイリンガルプログラム:5ヶ月経過の目を見張る成果」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
Be Bilingual

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( クリティカルシンキング/バイリンガル教育 )
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カナダクラブのバイリンガルプログラム:5ヶ月経過の目を見張る成果

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Be Bilingual 2025-06-05 05:03

Be Bilingual (BB) と名付けた[日本で育つ子供へのバイリンガル教育- カナダよりオンラインで]5ヶ月目の報告

 

 

正式開講し5ヶ月経ちました。


それぞれ能力も、これまでの英語学習歴も、日本語の学習方法も(日本の小学校・いいわゆるInternational School)異なる生徒たち。

学習する内容を脳がプロセスする方法も大きく異なります。


指導する私は常にあらゆる可能性を見逃さないように、まさに授業中は私の脳細胞すべてを動員しています。

そんなBBプログラムから、指導する私も驚くような効果が見え始めました。


公開中のカリキュラム(上記で述べたように個々の生徒に合わせますのでかなりflexibleです)を基に、実際のオンライン教室でどんなことが行われて来たかを簡単にご紹介します。

びっくりしますよ!

  

日本で育つ子供の脳の言語部位に、新たに英語領域のNeural networkを作る

日本で育つ子供の脳の言語部位には日本語領域だけが存在し、その日本語領と新しく育てる英語領域とを強固にネットワークするのが最終目的です。

___________________

方法は色々ありますが、まずは、Storyから。

両方の言語によるStoryを使うのが一番パワフルな方法です。

まずは日本語から、学校で読んだ本、自分で読んだ本から、その内容について、Short Answerに答えて行くことから始まりました。

面白いですね、日本語で読んだ本の内容への短い質問に答える時には、なぜか時間がかかります。表情を見ると「考えているようでもあり、誰かの顔色を伺っているようでもあり」いかにも日本的な様子が観察出来ました。


なぜそんな表情が見えるのか、「あっ」とわかったのが、2・3問書いた答えを見た時です。ものすごくgeneralなんですね。まるで先生に褒めてもらえるように特に目立つわけでもない一般的な概要だけの答えを探すんです。


これが日本語教育か!と。なぜ日本の生徒に英語のエッセイを教えるのが難しいのかの謎が一挙に解けたような気がしました。

そこから英語のニューロンを伸ばして行くのは生半可なことではありません。

さぁ、お手並み拝見。

英語のStoryを使います。


生徒のPrivacyがありますので、実際に書いた答えやStoryの内容は公開出来ませんが、似通ったものをひとつご紹介。

「とっても可愛がられている猫のいる家。夜はそのうちの子供のベッドでまるでその子供を守るように眠ります。お母さんもすっかりその猫を頼りにしているようです。ところが、その猫ちゃん、夜になると家中を徘徊して、台所の大冒険。その挙げ句に小麦粉を巻き散らかしたり、流し台のスポンジをかじってしまったり。」

「朝起きてきたお母さんはどんな反応をするでしょう。」

日本語になるとなぜかほとんどの生徒は(高校生までもが)「お母さんに猫が怒られる。」です。あれ?このStoryの他の情報は全部無視して、一般的に猫がいたずらをした」という設定の、言葉は悪いですが退屈な答えを書いてしまいます。

英語はもっともっと具体的に考えます。お母さんの行動を具体的に想像するんです。

・あれ?と不思議な顔をする

・小麦粉が巻き散らかされているのを見て「あらら」

・クスッと笑って、台所を片付ける

・猫が起きて来たら「おはよう、昨夜は忙しかったみたいね。」と声をかける

と、細かく細かくまるでその場面にいるように想像して描写します。

これが英語でStoryを読むという脳の活動です。

ほら、日本語と全く違いますね。

時間をかけてこのような訓練を行うことで、カリキュラムの2番目にある脳の日本語領域(language area)と脳の考える部分(cognitive area)との間を太く・強く結ぶことが徐々に可能になります。


そして、その英語領域と、従来からある日本語言語領域とを徐々に自由に行き来出来るようになるまで訓練します。

ひとつ勘違いしないでいただきたいのが、日本語での答えが一般的で簡単であるということは、決してその生徒の日本語能力が低いということではありません。内容はきちんと理解出来、日本では良い点がもらえる答えがかける能力だと思います。そして母国語の高い能力は必須です。

新たな英語領域を脳に作るために必須なのが、母国語である日本語領域が確立していること、です。幼少期から英語でのむやみなOutputが多すぎて、あるいは幼稚園や小学校で中途半端な英語教育を行ってしまうことで、肝心の母国語での教育が十分行われていない場合、日本語領域の存在すらぼやけたものとなります。輪郭も中身も完全でない日本語領域からは、新たな英語領域を作ることは不可能に近いです。

母国語言語領域からの知的アウトプット能力こそが、Bilingual Educationには必須というのがTranslanguaging理論です。

現在は、BBプログラムプログラムである実験を行っています。

両方の言語を使い、同じようなレベルのStoryを読み、短い質問に答えていきます。

まずは日本語から。

一般的な曖昧な答え(主語が何かわからないとか、説明が足りないとか)にはどんどん肉付けをしていきます。


次に、ある写真を見て、Storyを書く事も行いました。

日本で書いたものには形容詞や副詞が少ないですね。

単なる事実のみを想像力を使うこともなく、書くだけ。

そこで検証してみました。


小学生がよく読むという「ごんぎつね」にはどれだけの豊富な形容詞や副詞が使われているでしょうか。

「ごんぎつね 第1段落                             これは、わたしが小さいときに、村の茂平というおじいさんから聞いたお話です。 昔は、わたしたちの村の近くの中山という所に、小さなおしろがあって、中山様というおとの様がおられたそうです。 その中山から少しはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいました。ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで、しだのいっぱいしげった森の中に、あなをほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしていました。畑へ入っていもをほり散らかしたり、菜種がらのほしてあるのへひをつけたり、百姓家のうら手につるしてあるとんがらしをむしり取っていったり、いろんなことをしました。」

驚いたことに、この1段落にたった3つしかありません。

日本語で教育を受けた子供が英語を学ぶ際に、もっとも困惑する分野と言ってもいいですね。母国語で脳に概念が育っていないことには、外国語ではもちろん全く反応出来ません。

Storyだけでなく、Social Studiesへの取り組みも全く日本語と英語では異なります。

もちろんScienceも。

これらは今後進めて行く予定で、一体生徒たちがどんな脳の活動を見せてくれるか待ち遠しくてたまりません。

と、ここまではレポートとして大人しく書いてみました。


本当は、叫び出したいくらい、すごい効果が見えているんです。

英語を学び、日本語とのバイリンガルレベルにしたいという希望のBe Bilingualプログラム。そこで、この数ヶ月で起こったこと。

なんと!英語の具体性、特性、そして人間感情の深いところまでいっぱいつまったものを読み、それについて同じく具体的、特定に、人間の感情について答える練習をすると!

日本語で読んだものへの分析能力と、それを日本語で表す能力が一挙に変わって来ました!

急激な伸びを見せています。


これには、私も小躍りするほど興奮し、子供の脳のPlasticity(変化が可能な柔らかさ)を目の当たりに見た思いです。


さぁ。

Be Bilingualに参加してみませんか?

親のみなさんも、私と一緒に踊りだしたくなると思いますよ。


ご連絡下さい。

まずは、じっくり子供さんのことをお話しましょう。


カナダクラブより、お便りお待ちしています。

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