
大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
「カナダの高校留学」留学生の周りに群がる大人たちが都合の良いルールを作るMoney Monger
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【カナダの「高校留学制度」は穴だらけーカナダのメデイアCBCがようやく現実を報道】
2018年2月23日に書いたコラムです。
この1年後に「カナダ高校留学の実態総集編」eBookを公開した大きな動機になりました。
“The system is full of holes”: Experts say young foreign students left vulnerable by unregulated industry
[高校留学制度は穴だらけ:未成年の高校留学生は規制の存在しない「留学産業」の中、無防備で弱いまま放っておかれているのが現状] (CBC レポート)
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そしてコロナパンデミックが起こり、高校留学だけでなく、高校教育そのものがどん詰まり。完全に放ったらかされた留学生。多くはやることもない、将来もないまま帰国。残りは、ずるい学区に騙され、おざなりなオンライン授業(ただ簡単なプリントをやるだけ)に高額な授業料を払い残留。
何の教育もなされず、適当に高校を押し出され、その後バタバタと潰れていった元高校留学生たち。いい目を見たのは、パンデミック中も高校留学生を騙し続けた学区とエージェント。
この時期も必死で高校生をカナダに送りつけ続けたエージェントがいましたね。余程金策に喘いでいたのでしょう、ウエスト・コーストインターナショナルの細越代表。ニコニコ顔での羽田空港の集合写真がホームページに上がりました。
「なんでこんな時に、この人はこんな写真を載せるんですか?」と、私のところにも非難轟々。
結局、この細越代表は多くの留学生から預かったお金を使い込み、未だ返済もなく大問題となっています。詳細は雑誌AERAをどうぞ。
もちろん、エージェントにも大した規制のないカナダですから、こんな事態が起こり、そして今も起こり続けているわけです。
さぁ、パンデミックも終わり稼ぎ時!とばかりに、エージェントはもっと毒々しいバラ色の大嘘を語り始め、カナダのスクールボード担当者は「嘘の塊大売り出しカナダ留学フェア」で作り笑いのセールストークを再開。
その先に待っていたのが、ここで報道されている現実ですと、2018年にレポートしましたが、実は2025年の今になり、カナダ高校留学はまるで無法地帯と成り果てています。2018年の酷い話と、2025年の無法地帯レポートとを比較しながら書いて行きます。
CBCの記事(2018)
「何十万人という高校留学生が世界中からカナダにやって来る。15歳や16歳。またそれよりも幼い生徒まで。その留学生たちは、新しい未知の国で、スクールボードからも、州政府からも、連邦政府からも、留学産業からも、適切なサポートを受けることなく、危険にさらされている。留学産業には厳しい規制が必要である。」
「移民サービスセンターの長であるWong-Tam言:規制の存在しない「高校留学」産業内では留学生達は詐欺の犠牲になり、本来は生徒たちの健康と安全を守ることに責任のあるはずの機関・人間の手の中で不当な扱いを受けている。」
これが2018年の現状です。
え?! じゃ、2025年にはこれより酷いということですか?
はい。そうです。
「高校留学」が政府の規制のない儲かるビジネスとして、金の成る木として独り歩き、いや一人走りを始め、現在その途中でバッタバッタと倒れる日本人高校留学生が増えつつあります。
2018年には4つの項目をあげ、高校留学生がどれだけ犠牲になり搾取されているかを述べました。
そこから2025年にはどう変化があったかを比較してみます。
1.カナダには後見人制度があり、未成年が留学するには後見人を指定する必要があります。
この後見人制度が、エージェントには実にボロい儲けとなっています。後見人には、ホストファミリー、スクールボード内の誰か、後見人斡旋サービス、留学エージェントのどれかがなるのが普通です。そのために親は年間$1000~2500の費用を支払います。(現在は更に値上げしています。)この金額は、どんなサービスを業者が提供するかによって異なりますが、ただ単に名前を貸すだけの後見人がほとんどです。
ある留学生はなんと、年間$13000も後見人に支払いました。親元を離れる子供を心配した親が、特別なサービスを要求したからです。ところが、その後見人は、緊急の場合でも電話に出ず、急病の場合でもやっと翌日になってから連絡が取れる始末。
おまけに、病院までの送り迎え費用として$300を要求したそうです。何もせずに$13000、プラス送り迎えだけでプラス$300!ボロ儲け過ぎて、止められないはずですね。
そんなカナダの内情とつるんで日本の親を騙し続けるエージェントも、相当ぼろい儲けが手に入るのが「高校留学」の実態です。
(さて、2025年)
現在まで、高校留学でのトラブルSOSを受けた日本人高校生から「後見人が役にたった」という話は聞いたことがありません。驚愕することには、日本にいる親も自分の子供の後見人が誰なのか、話したこともないことがほとんど。よくもまぁそんな知らない人に子供の権利を丸投げするよなぁと怖いです。
その後見人とやら、本来は留学生の親代わりで守ってくれるのが役割のはずですが、いやいや、学区の言いなり。留学生の立場など理解しようともしません。学区にごますりをしておかないと、契約を切られてしまいますからね。あくまでも学区の言うことをそのまま留学生に従わせるのが役割。これがCustodianです。英語もろくに話せないCustodianも多いですよぉ。
どうやって交渉するんだろう。。。?
BC州は19歳までCustodianが必要なので、卒業を控えたトラブルに巻き込まれた留学生には目の上のたんこぶ。邪魔なのに、排除出来ないという困った事情に陥ることが多いです。引き換え、自由度の高いアルバータ州は18歳でCustodianは必要ないので、とても動きやすいです。役にも立たないCustodianをとっとと排除して、自分と親の意向で動くことが可能になります。
私にSOSが来た場合でもアルバータの方がはるかに簡単。あっという間に色々片付いて行きます。BC州は、Custodianという看板を掲げた人物の後ろから、こっそり暗躍する(ははは)ことも多くなります。めんどくさいです!
2.ホームステイも、留学産業の目玉です。
2025年の今も変わりません。
留学生はだいたい毎月$1300~2000程度をホストファミリーに支払います。
(2025年はもっと値上がりしています。高い!)
これもウエスト・コーストインターナショナルのようなとんでもないエージェントが集めたホームステイ費を持ち逃げ。留学生が2度も費用を払う羽目になりました。
「エージェントは信用するな」これがまず前提です。
ホスト不足、ホストの面倒を見る煩雑さを嫌い、現在ほとんどの学区が外部ビジネスにホームステイを依頼しています。1番で述べたCustodianはそのビジネスが手掛けることが条件で、ボロい儲けを独り占めしています。いくつかあるホームステイ団体の中で「カナダホームステイネットワーク」は避けること。全く人間味のない規則づくめのいやな団体です。昨年はこの団体への文句が非常に多く寄せられました。
3.スクールボードやエージェントは勝手に自分たちの規則を作ります。
国や州の規制が明確には存在しない「高校留学産業界」では、当事者が勝手に何でもルールを作れます。
後見人にしても、特に何の責任も明記しないまま、お金だけが飛び交います。
ホストファミリーにも、一応のガイドラインはありますが、それが適用になりホスト資格を剥奪されるなどは、まず起こりません。
最近のスクールボードとエージェントのずるい言い訳、オンラインコース履修について。
卒業を間際にして、身体的・精神的理由でカナダ滞在が絶えられなくなり、また乱れた学校を嫌い、1日も早い帰国を望む日本人高校生が増えています。
あと、数コースの単位で卒業までこぎつけたケースが結構多いのが驚きです。
カナダの高校留学事情、そこまで落ちてしまったのかも。
その場合、今学期履修中のコースは残念ながら諦めるしかないのが現状です。
そして次の学期に、その州があるいは学区が持つオンラインコースで、足りないコースを履修すれば、卒業が可能となります。
しかし、本当を言うと、現在履修中のコースの残り部分を日本からオンラインで履修させるくらいの融通は効かせられるはず。それを最初から「それは無理」と門前払いが普通です。
妙な規則を盾に取るんですよ。
「留学生は授業の〜%を対面授業で受けないといけない。」とか何とか。
ほんの2ヶ月残っているコースをオンラインに切り替えることがそんなに「規則!規則!」と騒ぐことなのかと不思議です。
特にBCはなんかわけのわからない規則で留学生の希望をどんどん消して行く州だと長年の経験から感じます。
そんな中、自由度の一番高いアルバータ州が、実はBCで卒業単位を取りそこねた留学生の助け舟になるかもと、現在交渉中です。
留学生にも規則を作る会議に参加する権限がほしいです。あれだけ高額な授業料を払っているんですから、権利はあるはず。
4.カナダの国は「高校留学生」の権利は保障してくれません。
数々の訴えが移民局に持ち込まれますが、相手にされません。「留学生」の権利を守るのは、カナダの国の責任ではありませんから。20年近く前のことです。
バンクーバー郊外のラングレー市スクールボードの「留学生プログラム」の実情をBC州政府に訴えました。自分勝手なルールと、留学生は授業料さえ払っていればいい、それ以上は何もするなという態度に呆れ果てたからです。
留学の真実を外にバラすなと、脅しも来ました。当時の副教育長の女性から。
「口をつぐんで、私達と一緒に儲けていればいい。」との脅しです。
留学の膿がどろどろ渦巻いている地域でした。
オンブズマンも参入してくれ、かなり州政府に突っ込みましたが、結果は厳しいものでした。州政府も真剣に取り上げてくれましたが、こんな返事が来ました。
「カナダ政府には留学生の権利を守る責任はありません。ホームステイも、スクールボードとの契約も、国が関与することではありません。留学生のカナダでの地位は、単なる短期滞在の外国人です。」
はい、これがずっと変わらないどころか、ますます悪化の一途をたどるカナダ高校留学です。
この酷い現状と、たくさんの高校生の涙を見たことから、私の次の目標が出来ました。
現在Lawyerに向けて勉強中です。
カナダの法律で、学区やエージェント退治をと。
面白いことにほんの少し”Contract and Law”を学んだだけで、適当なことで誤魔化しているエージェントをあっという間に訴えられるなと気がつきました。
このエージェントどうも信用ならん、おかしいと思ったらご連絡ください。
カナダの法律からアドバイスさせていただきます。
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「カナダ高校留学実態総集編」eBook
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