大澤 眞知子(クリティカルシンキング/バイリンガル教育)- コラム「英語のエッセイが書けない日本の生徒」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( クリティカルシンキング/バイリンガル教育 )
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英語のエッセイが書けない日本の生徒

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留学 大学・高校正規留学 2025-02-28 14:15

Japanese Students Can’t Write (Robert McMillan)

 

日本の生徒は英語が書けないです。

本当に書けないです。

英語らしきものは書いてますが、あれはエッセイではないです。

なぜでしょうね?

 

英語の成績が良くて頭の良い生徒でも、エッセイを書かせると正直「なんじゃ、これは?!」と読む気も失せるような代物を書いてしまいます。

日本の生徒の教育に携わりすでに30年以上も経ちました。

 

多くの生徒が私の指導のもと、カナダ・アメリカの大学に渡り卒業しました。

特に、ひいきというわけでもないですが、私の母国カナダの大学を卒業した生徒が多いです。

 

そんな成功した生徒たちでも、最初に出会った時の英語writingはひどいものでした。

そこで私が一番力を入れて指導したのが英語エッセイという分野。

嘆かわしいほど能力が届いていませんでした。

 

例えば、カナダの高校1年生レベルのエッセイが書ける日本の高校1年生には出会ったことがありません。

留学!と意気込んでも、同級生と同等レベルでwritingが出来ない場合は「留学」でも何でもない、ただの「英語ごっこ」になってしまうのに。

 

日本の生徒は真面目に勉強します、教えてもらったことを自分のものにしようと頑張ります。

そんな生徒がいくら頑張っても酷いレベルの英語しか書けないのは、日本の教育制度そのものに大きな非があるからです。

 

学校ではほぼ英語を書く、機会はないとほとんどの生徒から聞きました。

日本語でも自分のエッセイを書かないとも聞きました?え!?

 

たまに書くとすれば、書き方もテーマも決まっており、質よりも教師の意向に沿うエッセイが褒められる、とか?

夏休みにも「作文」とやらの宿題が出るそうですが、それもとてつもなく退屈なテーマで教師の求める内容で書くんだとか。

あ〜あ。。。

 

そんな教育が、日本の生徒の脳に恐ろしい前例を積み上げていったわけです。

脳は学びます「あ〜そうか、これやればいいんだ。」と。

脳の「これやればいいんだ」ネットワークは、ニューロンにこんな勘違いをさせ続けて来ました。

 

日本語でも英語でも「書くこと」とは要するに何か書いておけばいい。

同じことをカナダにやってしまうと、何を書いてもテーマから逸れてしまう、Off topic!!

高校留学では「Off topicだから書き直し」をさせられる。

大学では、Off Topicで0点をもらってしまう。

 

日本の教育制度は主に丸暗記に頼っています、未だに。

テストや宿題は、主に覚えた「事実」を吐き戻すだけ。

教科書の内容や教師の言葉に疑問を投げかけたり、批評したりするのはタブー。

日本の教育の目的は勤勉で従順な働き手を作ること。

 

結果

日本から来た留学生の多くは勤勉さではカナダの教師をひきつけるのに。

そして、数学ではカナダの同級生よりはるかに先を走るのに。

 

しかし、エッセイを書くとなったらカナダの同級生から大きく遅れているのが日本人留学生。

「英語が母国語でない」は理由ではないんですよ。

日本での教育方法が理由です。

だから、日本人生徒はエッセイが書けないのです。

 

カナダの教育は全く逆のところにあります。

疑問を持つこと、その答えをどう見つけて行くか、ここに集中します。

 

テストや宿題は、エッセイやShort answerと呼ばれる短い質問に2〜3文で答えるものがほとんどです。

大学進学を目指す生徒は難しい本を読み、そこからの観察・分析を答えに使う必要があります。

カナダ・アルバータ州のEnglish11からの実際の宿題を紹介しましょう、難しいですよ。

 

シェイクスピアのマクベスを古典英語で読み、下記に答えます(500〜700語):

“Ambition”の良いところ悪いところを論ずる4〜5段落のエッセイを書く。

読者の興味を惹くイントロとThesis Statement(主題文)を含め、2〜3の段落で”ambition”の肯定的、否定的な実例を描くこと。

よく考え抜いた結論をつけること。

 

ほとんどの日本人生徒はこんなエッセイなんて書いたことがありません。

よって、考えをまとめることにさえ大苦労します。

困ったことに、これよりひとつ上のレベルEngish12をパスしないと、それも高い成績で、大学には行けません。

 

実は、日本人留学生にとっての困った問題は、自分たちの能力では留学に足りないことさえ知らない現状です。

エージェントは留学は簡単だと嘘をつきます。

カナダのレベルに見合う能力の準備をせずにやって来た留学生は強烈しかも過度のストレスに襲われます。

時には精神的に破綻してしまいます。

そこから、単位も取れず卒業出来ずに帰国という結果になります。

 

これは真面目な日本の生徒にとって本当に不名誉で残念なことです。

留学前に適切な訓練さえしていれば、ほとんどの日本人生徒には「英語を書く」とはどういうことなのかを学ぶ能力がありますから。

エージェントの言葉を鵜呑みにし、カナダで必要な勉強の準備を怠ってしまった結果です。

エージェントの嘘で、折角の潜在能力を捨ててしまった良い例です。 

 

「英語エッセイが書けない日本の生徒」問題を解決する方法 

A Solution to the Writing Problems of J Students

 

カナダの2月は実は「楽しい」時期です。 

宿題を提出し、成績が返ってくるのを待っている学生の気分になります。

今の私にとっては、カナダの大学に出願した生徒たち(私がずっとEssay writingを教えて来た生徒たち)の結果を待つ時期となりました。

 

昨日、また一人、カナダの主な大学にアクセプトされたと報告がありました。

 

日本の生徒たちの英語writingは、カナダの同級生に追いつけるはずなんです。

練習と特訓を重ねれば、英語writingの達人にもなれる能力を持っています。

 

カナダクラブで提供する私のオンラインクラスでは、最初の授業でエッセイの書き方を教えます。

カナダクラブで生徒がやることは

エッセイのサンプルプランを読む。

サンプルエッセイを読む。

(どちらも私のオリジナルです)

 

最初の授業でありながら、そこから生徒が学んで行くことたくさんあります。

英語エッセイの構造、エッセイとはどう書くか:

The introduction, Body, Conclusionが必要。

大切なtransition words(転換語)を学ぶ:

これらはエッセイの流れをまとめる役割を持っており、エッセイの内容に一貫性が出来、スムーズに表現すること助けとなります。

更に大事なことは、生徒たちは自分自身でテーマを決めることが出来ること。

自分に興味のあるトピックについて書くことが出来ます。

 

そしてこの「自分に興味のあるトピックについて書く」ことこそがカナダでの学習法です。

自分の日常での経験と観察を使い、自分の考えを説明していくこと=これがエッセイです。

 

例えば:私の作ったエッセイ教材のレベル7、「なぜ風呂場が危険か」についてを説明する段落では、こんな経験と観察を使っています。

Moreover, bathrooms have sharp objects. You could cut yourself on razors, nail files, or tweezers. I once cut my heel quite deeply on the bottom of a bathroom door. It became infected*, and I had to go to the hospital.

 

この実例は私が日本で本当に経験したことです。

治療してくれたドクターに感謝です。

このようなサンプルは、私の生徒たちが今度は自分自身の実例を考えるのにとても役にたちます。

「ふむ。。。危険な経験かぁ。」と。

 

“infected”についている (*) に気づきましたか?

サンプルエッセイの下には、生徒にとって難解な単語の意味を説明することにしています。

こんな風に。

* infect – to get bacteria (dirt) in a cut (skin turns dangerously red)

 

私の経験から言うと、英語エッセイを学び始める絶好の時期は中学2年生の終わりごろ。

中には高校から始め、カナダの大学進学した生徒もいます。その生徒はUniversity of British ColumbiaのCommerce学位を取り卒業しました。

 

なぜ中2かというと、エッセイを書くには英語文法の基本が必要だからです。

文法力さえある生徒なら、最初のエッセイ授業で「なんだ!エッセイってこう書くんだ、簡単!」と驚くこともよくあります。

「英語エッセイが書けた!」と、writingを楽しんでいる生徒を見るのは私にとって至福の時です。

 

現在の生徒の中に、素晴らしい進歩を見せている中2生がいます。

もっともこれは例外とも言える進歩ですが。

なぜ例外の進歩を見せているかというと、文法の基礎知識が確立していること、つまり文法に強いこと、です。

 

私が作ったサンプルエッセイを理解し、自分のエッセイを書くためには中2レベルの文法が必要です。

外国語を学ぶのに文法はとてつもなく大切ですよ!

 

結論

カナダの教育に興味がありますか?

じゃぁ、そのレベルに入るための準備が必要です。

 

丸暗記の事実などは役に立たないです。

カナダの高校や大学が生徒を評価するのは、教材のReading(Storyなど)の理解力とWriting能力についてです。

 

もちろん、writing能力は一朝一夕にはつきません。

時間がかかることをよく理解しておいて下さい。

でも、不可能ではありません。

出来ます。

 

一日でも早く相談して下さい。

時間がかかるから。

 

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