大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
海外ホームステイは時代遅れ
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「整った住宅街、よく手入れされた芝生のある、まるで映画に出てくるような家で
やさしい白人のカップルと可愛い子供たち
休日には庭でBBQ、カナダの自然を楽しむドライブにも連れて行ってくれる
日本人生徒を受け入れることをとても楽しみに思っているホストファミリー」
な〜〜ンて、歯の浮くような宣伝文句が一時期流行ってましたね。
英語圏の外国への憧れが、ホームステイで一挙に叶うような。
たった1,2ヶ月のホームステイで魔法のように英語を話せるようになる、な〜〜んて。
20〜30年ほど前くらいですね、こんな文句に惹かれて短大や私立高校などが海外短期研修とやらを生徒集めの道具に使い始めたのが。
そのプログラムに惹かれて入学しホームステイを経験した今では30代・40代の女性二人に、成果を聞いてみました。
Case 1:
そのプログラムがあることで学校を選びました。英語を話せるようになりたかったから。
旅行としては楽しかったです。英語はその後もわかりませんでした。他は余り覚えていません。
Case2:
高校の時に学校のプログラムでカリフォルニアに行きましたが、思い出すと嫌です。
ホストマザーの英語がわからなく、私も英語を口に出せず、結局すごく嫌われたと思います。
今でも英語は出来ません。
このような経験をした30代・40代の方は多いのでは?
で、結局役に立ちましたか?
このホームステイがあったために英語力が飛躍的に伸びましたか?
この経験があなたのその後の人生に大きな威力を発揮しましたか?
もし、そうなら、今の日本には「英語の出来るお父さん、お母さん。世界を知る親。」が溢れているはず。
そのお父さん、お母さんたちが、今度は子供の英語教育を自分自身でデザインし、学校任せの時代遅れホーム末井になど参加させる必要はないのでは?
自分たちが英語が出来るのですから、個人でアレンジすれば、はるかに安全で内容の伴った経験を子供に提供出来ますからね。
しかし、現実は程遠いところにあるようです。
未だに、血眼になった日本の高校が時代遅れも甚だしい「海外研修プログラム!」を華々しく宣伝しており、親と言えば、その穴にすっぽりはまり込むが如く子供をいとも簡単に外国に送り出しています。
「自分の子供、大事じゃないんですか?」と聞きたいです。
宣伝に使うホストファミリーとの写真は20年前と少しも変わってなく。
ほとんどの高校プログラムはエージェントにすべて丸投げ、ホストファミリー管理も丸投げ。
何よりも一番怖いのが、文化も習慣もティーンエイジャーの扱い方も全く異なる外国の、しかもエージェントが勝手に選んだホストをそのまま信頼してしまうことです。
なぜ、外国の赤の他人をポロッと信用出来るんでしょうか。
よく苦笑してしまうんですが、日本人で留学を現地で多く目撃している警告は信じずに、外国の赤の他人をすぐに信用することは大きな皮肉。
結果、この数十年の間に、外国のホストから大きな痛手を受けた日本の高校生が増え続けています。
Sexual abuseから、Neglect、自殺未遂に至ったケースもあります。
子供も黙っていたり、親も我慢するよう子供を促したり(アホですかこの親は!)、送り出した高校も知らんふり、エージェントやホストを訴えようにも外国という壁が立ちふさがり、結局泣き寝入り。
恐ろしい数の事件が起こっているのが、日本の高校や団体が推進する「海外ホームステイプログラム短期研修」です。
コラムにも数々の実例を上げていますが、サマリーとしてまとめてみます。
Case1
AFSのホストファミリーの酷さ
Case2
「日本で一番厳しい留学」か何か知りませんが、やたらと宣伝している東京の高校からカナダに送られてくる生徒たち。
ホスト宅でお手伝いさんのように使われ、粗末な冷凍食品を自分で温めて食べる日々。
パンデミックでホスト宅にほぼ隔離状態、自由は認められず、落ち込み、自殺をほのめかすも、日本の高校からはヘルプなし。
途中帰国したら大学の推薦入学が出来なくなるとの脅しも。
生徒たちはなぜか日本の親への連絡を禁止され、何もなすすべもなく辛い毎日を送るのみ。
結局、親が強引に帰国させたケースも。
(多くのSOSが届きました)
Case3
そして一番酷いのが性的な接触をされた件
上記AFSのホームステイトラブルでも頻発している事件です。
カナダでよく聞くのが、ホストファーザーが日本人女生徒に性的交渉を迫るケース。
「かわいいね」と身体を触る、部屋に勝手に入ってきて性交渉を迫る。
短期プログラムでBC州ラングレーに滞在中の男子生徒がホストファーザーにレイプされかかったケース。
(カナダでそのホストとラングレーを訴えようとしましたが「子供を何度も裁判に立たせるのか!?」という脅しに親が譲歩。泣き寝入り)
実際にレイプされた日本人高校生は結構な数になるのではと恐ろしい気持ちです。
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まだまだ数え切れないほどありますが、省略し一番最近のCaseに移ります。
つい最近こんな事件が起こりました。
Case4
New Zealandでの高校からのホームステイプログラム。
高校は全く関与せず、現地コーディネーターなる人が70名にものぼる生徒のホームステイを担当。
ホストファーザーは滞在した女生徒へ猥雑な言葉を投げかけ、髪を触る、自分と留学生との性的交渉を自慢する、リビングルームには過去滞在した女生徒の顔写真を飾り”We had sex.”
幸いにも携帯所持を許されていた生徒は(携帯を使わせないプログラムは完全な人権侵害です)夜中に日本の親に連絡。
パニックになった親が日本の高校に連絡するも、夜間緊急連絡先もなく、何もなすすべなし。
「不安と恐怖を抱えて、ドアにスーツケースや椅子を置いて絶対に寝ずに朝を迎えようとうずくまっている娘を思う気持ちは学校からは感じられませんでした。一言でも。電話で何があったんですか?大丈夫ですか?と聞いてほしかった。」学校からは無言。
その後の学校側の言い分「現地コーディネーターとは契約の問題があるので親からは直接連絡しないでほしい。現地とはメールでしか連絡出来ない。」
生徒の緊急時にメール? 契約? どんな? 生徒が性的暴行の犠牲になるかも知れない時でも黙っているという契約ですか?
日本からの教師同行もなしだそうです。
現地ニュージーランドでは「良いホストなのに。」となぜか被害にあった日本人女生徒が悪者にされるような噂も飛んでいるとか。
実際に被害にあった生徒の親のコメントです。
「実際に、留学先のホストファミリーで性暴力被害にあっている子どもたちがいることを知ってほしいです。ホスト宅で問題が起きた時に日本から子供を守ることは困難です。今回は卑猥な言葉と髪の毛を触られたところで止めることが出来ましたが、もしも性暴力被害に遭っていたら、親としても誰にも言う事もできなかったと思います。深い傷を負わせてしまった子をもう一度傷つけることになるからです。海外の裁判制度もわかりませんし、英語で法廷に立つことも困難です。
このような危険をはらむホームスティでの短期留学は、今の時代にはそぐわない面があるのではないでしょうか。」
その後こんなコメントもいただきました。
「眞知子先生に未成年の高校留学は危険と言われていたのに、2.3ヶ月ならと旅行気分で異文化体験のために安易に学校に任せてしまった自分の責任も重く受けとめています。」
「カナダ高校留学の実態」eBookをお読みになり、高校留学はさせないとした方ですが、無念のお気持ちお察いたします。
他にも被害生徒や親からのコメントもありますが、今回は許可をいただいた件のみ紹介させていただきました。
親として、このような被害のあと公開してくださる方の勇気は称賛に値します。
これからの犠牲者を出さないためにも、公開すべきと、自分の見栄ではなく、社会全体の人を守る正義感をお持ちです。
方や、まぁ仕方がない。。。と、裁判も諦め、結果犠牲になった子供自身を更に傷つけてしまうケースも多いこともお伝えしておきます。
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世界は特に21世紀になり大きく、加速度がつき変わり続けています。
未成年が親から離れて、留学やホームステイするを未だに「安全」と時代遅れの思い込みをしている親のみなさん。
そして、大事な日本の将来を預かるはずの高校なのに、何も知らず(アホですね)生徒を危険なホームステイへと追いやる高校への警告メッセージ。
今の世界は未成年をひとりで外国に送る時代ではないと思いませんか。
日本の外を真剣に眺めた事はありますか?
民主主義が壊れかけ、戦争が起こり、紛争も各地で絶えず、宗教間の軋轢もますます表面化し、人の気持ちもすさみ、アメリカのように国が完全に分断する事態。
移民を多く受け入れている英語圏の国は、それら影響をまともに受け、対処しきれていないのが世界の現状です。
「英語が出来るように」とむやみに英語圏に日本の無防備な10代を送るのはいますぐ止めるべきです。
「あ、日本人がホームステイに来る!」などと、日本人が白人を歓迎する(なぜでしょうね)ような心理は世界のどこにもありません。
「あ、また幼く何も知らず、英語も出来ない日本の子供が来る。どんな扱いをしても文句は言わない日本人なので適当にやっとこう。」ならまだいい方。
「あ、またカモがやって来る。」
だとしたら、親のみなさん、あなたは本当に「カナダのホームステイは絶対良い経験だから行ってらっしゃい。」と送り出せますか?
真剣に熟考してみて下さい。
私が今の10代の親なら、絶対送りません。
ホームステイは日本からだけ見た異常な憧れ。
恐ろしく時代遅れです。
カナダには、十分学力をつけた後、大人になってから、大学からいらっしゃい!
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