
大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
より難易度が上がったカナダ高校卒業に必須の「読み書き能力」
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カナダ、ブリティッシュコロンビア州で今年から実施される卒業州試験 Graduation Literacy Assessment の概要について書きました。
カナダ全国で始まっている、「高校卒業生」のレベルを上げ、大学の質を高め、ひいてはカナダの社会・経済の発展につなげようとする試みです。
日本の教育制度からこの高いレベルのカナダ高校教育に入ってくるのは大きな魅力ですが、この上なく難しい挑戦となるのは明らかです。
さぁ、日本の中学までで、ここに説明する能力・学力の準備が出来ていると思ったら、胸をはってカナダに来て下さい。
あなたの偉大な冒険の幕が開くはず。
ある、なしよりも、何かさっぱりわからん!と思ったら、日本の高校をきちんと卒業してから冒険を始めること。
そうでないと、貴重な10代の数年間がすっぽり抜け落ちる結末を迎えてしまいますよ。
カナダが今年から始めるのは”Literacy”の定義を、凄まじい勢いで進む人類の進化に合わせることです。
そして、その定義を満たす高校生のみを卒業させるという計画です。
“Literacy” 簡単に言うと「読み書き能力」ですが、日本の学校制度での定義とは大きく異なります。
BC州はこう定義しています。
“Literacy is the ability and willingness to critically analyze and make meaning from diverse texts and to communicate and express oneself in a variety of modes and for a variety of purposes in relevant contexts."
1.まずは、幼少期から今までに”diverse texts” (多様な形態のReading:小説・詩・エッセイ・記事など)を読み
2.それらRedingの内容から意味を取り、クリティカル・シンキング思考法で分析する能力と、自分から進む動機があること
3.様々な形式(文章・詩・エッセイ・スピーチ・リサーチペーパー・Visual artなど)で自分自身を表現し、他へアピールする
4.自分表現、他へのアピールには、多様な目的を持たせ、論理的一貫性のある内容を用いること
これが”Literacy”です。
この”Literacy”を評価するのが、今年から始まる Graduation Literacy Assessment です。
カナダの子どもたちは、物心ついた時からクリティカル・シンキング環境に囲まれています。
親との会話で英語を習得して行くのも、すべてクリティカル・シンキングが土台となります。
幼稚園や学校などで集団生活を始めると、そのクリティカル・シンキングがますます深いものになります。
カナダの学校のカリキュラムは「クリティカル・シンキングを学問で使える能力の完成」を目指していますから、日々の学校での勉強が脳をクリティカル・シンキングで鍛えて行きます。
クリティカル・シンキングを表現する手段としての、高度なWritingスキルも集中的に訓練されます。
その集大成がカナダの高校教育です。
クリティカル・シンキングの基本が完成していない状態では、大学の勉強にはついていけないからです。
この中にいきなり高校から入ってくる日本の生徒たち。
ついていけると思いますか?
ついていけるなどと思う方が、めちゃくちゃであることがわかりますよね。
「高校留学」が果てしなく難しいのは、これが理由です。
そして、「果てしなく難しい高校留学」がもっと別次元まで行ってしまうのが、今年から始まった高校卒業レベルの大改革です。
カナダの同級生と同じレベルのクリティカルシンキングとエッセイスキルを身につけたい動機のある留学生の方。
ご相談下さい。
現段階からの進め方をアドバイス致します。
手遅れにならないうちに。
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