大澤 眞知子(クリティカルシンキング/バイリンガル教育)- コラム「BC州 English12 州試験分析- カナダ高校卒業が更に困難に」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

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( クリティカルシンキング/バイリンガル教育 )
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BC州 English12 州試験分析- カナダ高校卒業が更に困難に

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留学 大学・高校正規留学 2019-05-06 06:48

日本からの高校生にとり、カナダの高校卒業への道のりがはるかに困難なものとなります。

特にBC州の例を取り、難易度が相当上がると予想される Provincial Examの内容を分析してみます。


能力もないまま、準備もないまま、英語力も不完全なまま海を渡った日本人高校生が陥る惨状は「カナダ高校留学の実態」eBookでも詳細をご紹介しています。

特に、卒業と大学進学に必須のEnglish 12 合格への州試験が、Provincial Exam からGraduation Literacy Assessment と名前を変え、内容も更に高度なクリティカル・シンキング思考能力を要求するようになります。

開始は2019年度9月からの学年です。

(アルバータ州ではEnglish30-1と呼ばれ、同じく新保守政権が留学生には大きな痛手となる変更が予定されています。)


さて、Graduation Literacy Assessment に合格するにはどんな能力が必要なのでしょうか。

(下記の8項目に関して、日本からの高校生が絶対身につけておくべきスキルも説明しておきます。)

 

1. Core Competencies


Communication能力、Creative Thinking(自分の創造力を使う思考能力)Critical Thinkingを重点的に評価

Written responseと呼ばれる、エッセイを通じ「自己をどれだけ理解しているか」などを表すテスト

Personal/Social Competencies(人間個人として、また社会の一員としてどれだけ有能であるか)を見る


高度なクリティカル・シンキング思考能力の訓練が必要です。

年数をかけ、様々な方向から客観的・論理的・科学的・具体的・批判的な思考が出来る訓練により、クリティカル・シンキングは身についていきます。

また、論理的な一貫性に基づいた英語エッセイの高度なスキルも必須です。


2. Personalization


多角的に生徒個人の能力をはかる

生徒は自分の得意な方法を選べ、それを通じて自分の知識、理解度をアピールする

評価には、州の厳しい基準が適用される


多角的な見方をし、その結果を表現するためには、もちろんクリティカル・シンキングが欠かせません。

「思い込みを排除し」「多角的な解釈を求め」「感情論は排除」した思考法の訓練が必須です。

もちろん、それを的確に表現するのは、英語エッセイの高度なスキルなしでは不可能です。


3. Deeper thinking


複雑な思考法を用い分析する能力

多岐にわたるReadingをクリティカルシンキング思考法を基に分析し、自身の理解したことをいかに効果的に表現出来るか

また、Readingと自身の観察・経験をいかにつなぐことが出来ているかも


高度なクリティカル・シンキング、英語エッセイ能力は不可欠。

それプラス、今まで生きてきた過程での観察力を問われ、その観察をいかに効果的なエッセイに出来るかが決め手です。


4. Student engagement


上記3番にもあるように、生徒自身が自分を取り巻く状況、今までの経験観察を「これまで学んだこと」にいかに効果的にむすびつけることが出来るか


3番と同様

経験値が高く、それを的確に英語で表現する能力が必須。


5. Cross-curricular skills


クリティカル・シンキングを使う読み書き能力を、他の学問分野にいかに応用出来るか


日本のように文系・理系などの馬鹿げた線引きはありません。

すべての分野で学習したことをひとつにまとめて考える能力が必要。

日本の高校生には、相当の時間をかけた特訓が欠かせません。


6. First Peoples


カナダの先住民族についての知識を問う

すべてのassessmentには先住民族への深い理解度が必要


カナダの歴史、先住民族の辿った道筋を深く理解すること。

たくさんの書籍が出版されているので、それを読み込むことから始めるべきです。

カナダのニュースにもほぼ毎日のように登場する First Peoples 問題。

日々カナダ社会のニュースに接することなしでは、このAssessmentでは見事に失敗してしまいます。


7. Collaboration


生徒は、能力を評価される前段階として、他の生徒と協力しての準備が可能

その共同作業も評価の対象


他の人たちとのInteraction をどれだけうまくこなせるかが大きな鍵です。

English12を好成績でパスし、大学へと進学するカナダのレベルの高い同級生との日常からの関わり合いが必須です。


8. Self-reflection


生徒は自分自身の全体結果を熟考し、自分の理解度、エッセイでの表現力を自分で評価する

その自身の評価も、査定される


「自分をどこまで理解しているか」については日本人高校生は非常に幼いです。

親の言うまま、学校の言うまま育った環境が問題ですね。

Self-reflection が出来るようになるには、時計を巻き戻し訓練をする必要があるのが現実です。


_____________________ 

さて、日本からの高校留学生にはいかに難しい試験になるかがおわかりでしょうか。

「カナダの高校の授業を受けていれば訓練されるのでは?」

いやいや、そんなに事は簡単ではないですね。

カナダの生徒が中学までに経てきた教育にも追いついていないですから。


本を読むスピードもままならず、課題は時間に追われ、とにかく何かを書いて提出。

Englishの教師たちの質も様々ですが、留学生ということでEnglish10, 11までは何とかCの成績でもパスしたが、English12になったとたん歯が立たなくなったという相談をよく受けます。


必要な訓練なしでずるずる誤魔化し誤魔化し来てしまった結果です。


カナダ高校留学中、卒業を目指している日本人のみなさん。

次の4点は必ず、今すぐにでも猛特訓を始めることですよ。

1.クリティカル・シンキングを基本から始める

2.英語エッセイの基本から高度なレベルまで、カナダの高校生と同等レベルで書けるようになること

3.常にまわりを観察し、その観察をクリティカル・シンキングで分析する習慣をつける

4.カナダの社会で何が起こっているのか、日々学ぶこと


より詳細なアドバイスが必要な方はお問い合わせ下さい。


“Essay Writing Online Program” English12への重大な基本となるエッセイ40レベルのオンラインプログラム。


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