大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「統計から見えてくるカナダ留学事情(2)ー カナダ各州の留学生数」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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統計から見えてくるカナダ留学事情(2)ー カナダ各州の留学生数

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留学 大学・高校正規留学 2019-03-23 03:05

カナダは世界からの移民で構成される他民族国家です。

もっとも、首相のJustin Trudeauは「国家」を超えた「共同体」と呼び、これからの世界が目指すべき存在としてカナダを位置づけしています。

私自身はその考え方に魅力を感じ、カナダを間近に体験したいとやって来ました。


移民については、受け入れ体制も素晴らしく多くの移民がそれぞれの価値観をそれぞれ保てるよう、カナダ全体が支えてくれています。

南の汚いトランプアメリカとは全く次元の違うカナダだと感じています。


しかし。

留学生の扱いとなると、かなり異なるカナダが目について仕方がありません。



この地図は、カナダの各州にどれだけの留学生がいるかを表したものです。

小学・中学・高校・大学・大学院を合わせた数です。


さて。

この数字からどんなストーリーが読み取れますか?


1.トロントを擁するオンタリオ州が群を抜いて高い数字です。


カナダ全体の留学生のうちの48%を占めます。

その(1)でも書きましたが、そのうちの約半分は中国とインドからの留学生が占めることになります。

特に最近は、オンタリオ州の中国詣でによりますます中国人留学生が増えるています。


ごったな人種、特に中国・インドからの留学生と競いながら勉強。

アジア人ではなく、中国人でもなく、日本人だ!と自分で存在感を示せるなら、面白い体験となるでしょうね。

最近の人種差別事件、Hate Crime はかなり気になりますが。


2.次に多いのが、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州の24%です。


ここの数字は出ていませんが、BC州の中国人留学生の割合はかなり高く感じます。

どこに行っても中国人。

ここはカナダ? それとも中国?と見まがうばかり。

中国人の狂乱的な不動産投資の影響で、バンクーバー周辺の住宅価格高騰は凄まじく、普通の人が住宅購入するのがほぼ不可能になっている状況です。

こんなに高い住宅事情の中、留学生たちは一体どこに住んでいるんだろうとこっちまで心配になって来ます。


そうそう、日本からのワーホリ集団がバンクーバーから姿を消していると聞きました。

生活費が高すぎて住めないんだそうです。


やはり人種雑多なバンクーバーですが、トロントとはかなり雰囲気が違います。

太平洋に面している分、アジアへの興味と理解はバンクーバーの方が高いと感じます。


日本人への理解度もある程度ある中で、中国人留学生と競う勉強ですね。

住まいは高い!ですよ。


3.Manitoba,Saskatchewan の留学生数は少ないです。


じゃぁ、いいか?というと疑問です。

住んだことはありませんが、留学生を迎える体制は整っていないと感じました。

留学生が少ないのには、やはりそれなりの理由がありますね。


それでも、Manitobaは、最近負けるものか!と、やはり中国やベトナムなど新興国からの留学生呼び込み作戦を開始しています。

インドからもたくさん呼び込んでいます。

何もなくても、いかに冬の気候が厳しくても、日本人への理解度は低くても、相当田舎でも、勇敢に立ち向かう気概のある人にはユニークな留学になるかも知れません。


4.そのManitobaに追い越されそうなのが、現在私の居住するAlberta州。たった5%です。


Alberta州の性格を考えるとこれも納得です。

他民族を受入、共存しているBC州からロッキー山脈を超えたとたんに、人の違いが歴然とするのが面白いです。

まるで別の国ですね。

「環境を守れ〜」運動も盛ん、自由主義がプンプンするBCと比べ、アルバータの人達は超保守的です。

環境破壊もなんのその。 オイルマネーで生きて来ました。

オイルを掘って、オイルを使って何が悪い!と、現在開き直っているアルバータです。

トランプ支持者も結構いると思います。


人の考え方もBC州とは大きく違います。

BCの人達は、「移民・他民族」のカナダを好むと好まざるに関わらず、受け入れています。

みんな違うんだと。


アルバータの人達は、もしかしたら善意?なのかも知れませんが、カナダにやってくる移民や留学生は恵まれない国から来たかわいそうな人達だとの概念が強いと感じます。

州都のエドモントンも、一番大きな都市のカルガリーも、広大なアルバータ州に散らばる小さな町の人達も、一様に「ここは世界で一番いい場所」との思いが強いです。

それだけならいいのですが、そこで止まってしまい外の世界には大した関心はなさそうです。

ある小さな町で、アジアを見下しているおじいさんにこんな事を聞かれました。

「日本語は英語と比べて劣る言語だから、日本人は英語を習いに来るのか?」と。


特に最近は「移民排斥運動」が広がる傾向があり、カナダの諜報機関が見張っているRed Deerという町もあるのが心配です。

3月22日付けCBCニュースではカルガリーの移民排斥主義者が、選挙運動中の中国人候補者のポスターに「人種差別」の落書きをしたとの報道。

中国人を馬鹿にする表現なども書かれていました。

アジア人が嫌いな白人が多いようです。


さて。

アルバータを留学先に選ぶには、かなり勇気がいるかも知れません。

高校にはいい教育制度があるんですけどね、残念です。

移民を多く受け入れていながら、その横で「移民排斥主義」が踊っている様子を観察したい人には絶好の場所かも。


5.人種問題と言えば、現在12%の留学生を擁するケベック州も要注意の場所です。

イスラムへの差別が大きな問題になっています。


12%という数字はフランス語を公用語とするケベック州にやって来るフランス人留学生が大いに貢献していると思います。

フランス語で勉強し、イスラムへの人種差別とはどういうものかを間近に体験したい方には、どうかな?

_______________

統計の数字から見えてくるストーリーと、私自身の実際の観察を書いてみました。

留学先の選定は非常に難しいですね。

自分の目的・能力に一番合う場所を探して下さい。

万人にベストな場所は存在しませんから。


Well, where do you wanna go?



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