大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
BC州の深刻な教師不足 - 留学生の世話までは手がまわらない?
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CBCがせっせとカナダの教育事情を暴いてくれています。
カナダの教育事情は、日本からやって来る危なっかしい未成年高校留学生の運命を大きく左右しますので、見逃せません。
BC州が深刻な教師不足に陥ったのが2016年。
選挙で勝った新しい州政権が、クラスサイズを小さくしたのが原因です。
前政権がクラスサイズを2002年時に大きくしたことは憲法違反だと訴えて、それが通った結果です。
小さなクラスサイズは留学生にはありがたいことですが、そこに大きな問題が持ち上がりました。
BC州全体で何千人もの教師が足りなくなったのです。
教師の足りない学校に、法外な授業料を払ってやってくる日本人高校留学生。
そんな事情は、エージェントも、School Boardも決して説明してくれませんよね。
全国的なリクルートを行うなど、教師採用への必死の試みにより、多少は解決した教師不足のようですが、まだまだ足りません。
Vancouver 学区は、カナダ中でフェアを行い教師採用に走り回っています。
(その出張旅費ってまさか留学生の授業料から出してたりしませんよね? 聞いてみたいところですが、正直な答えは無理でしょうね。)
BC州に教師が集まらない理由が2つあげられています:
1.初任給が他の州より安い
2.住宅価格の高騰により、生活費が高すぎる
バンクーバーの中でも特に生活費の高いと言われるWest Vancouver。
教師不足はかなり深刻の様子。
教師用に廉価な賃貸住宅を供給する計画も持ち上がっています。
タコ部屋みたいな安っぽいアパートに、教師たちを住まわせる計画ですかね。
(あ! 留学生の払う授業料を建設費に当てる?)
West Vancouverは非常に多くの高校留学生を勧誘している学区です。
授業料も群を抜いて高いです。
なのに、住宅まで用意しないといけない程の教師不足ですか?
BC州の教育ランキングを見ると、West Vancouverの教師の質は必ずしも芳しくないとのコメントが出ています。
とりあえず、質は度外視で雇っているのかもと疑いたくなってきます。
通常の授業にまともな教師を配していないと、地元からの突き上げが大きいと思われます。
地元高校生の親は日々監督していますから。
従って、やっとみつけた教師は、まず地元高校生のために配属。
普通でも多すぎる留学生の面倒をみる教師は、おそらく短期雇用かなんかのアルバイトかも知れませんね。
その短期雇用も不足しているそうですから、ことは深刻です。
West Vancouverに留学中の方がいたら、他の学区への転校も視野にいれる覚悟が必要かも知れないですね。
しかし、BC州全域での不足らしいですから、そう簡単に解決することではなさそうです。
これが「高校留学」に介在する危険な要因です。
カナダの国の事情、州の事情、教育制度、教育制度の変化、教師や教育委員会スタッフの質、住環境、などなど、果たして何%の日本人の親が調べているでしょうか。
大切な子供をカナダに送る前に、どんな環境が子供を待っているのかの情報を十分吟味したのでしょうか。
日本の場合は、ニュースや新聞で各学校、地区、教育制度、教育制度の変化、教師の質などはよく知っているはずですよね。
それが、遠い遠い国に未成年を送るのに、なぜそこに無頓着なのか、不思議で仕方がありません。
太平洋を隔て、子供さんを守るためには絶対必要な情報だと思います。
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