大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
BC州各School District「高校留学生プログラム」への警告(BC州政府より)
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2012年、今から6年前にBC州政府は、各スクールボードが熱狂してリクルートする留学生たちの扱いについて警鐘を鳴らしていました。
「ごまかしが多く、BC州教育レベルへの信頼を失墜する」というのがその理由でした。
2016年の政府の警告と、現在2018年のBC州高校留学事情を比べる限り、この警告は全く意味がなかったようです。
事態は好転するどころか、ますます「留学生の授業料目当て」ビジネスに群がる学校たちが滑稽に見えるBC州事情です。
留学生をBC州に勧誘するだけでなく、カナダ国外の中国・韓国・日本などの国に直接BC州の学校を作る企みが奨励されてきました。
カナダの外にBC州のカリキュラムを使った学校を設立し、B.C. Certified School として生徒を勧誘するというものです。
日本でも、少子化により生徒集めに悪戦苦闘する私立高校などが、「やった!生徒が集まる!」と飛びついて行きました。
まず、BC州が警告したのが、そのOffshore-Schoolと呼ばれるBC州のカリキュラムを使う高校のプログラムです。
「BC州Offshore-Schoolでは、BC州で退職した教師などを雇用しているが、一部のOffshore-Schoolで、成績の違法なかさ上げが行われ、法を無視した指導、また他の問題に値する行動が報告されています。 詳細は、州政府方針で明らかにはされていません。」
BC州政府内では、この件を受け、外国でのBC州の評判を落とさないための方策を議論。
2016年現在、カナダ国外に34のOffshore-Schoolを認可している現状についても見直し議論が行われました。
しかし、もともと、高い授業料を課し、外国の高校生にBC州のカリキュラムを使わせるという計画事態、政府が作ったことですよね。
しかも、それらOffshore-Schoolは、教育というよりも、ビジネス、つまり金儲け優先である事実も、BC州政府は最初から認めていると、報道されています。
Offshore-Schoolが生徒数を維持するために、「成績基準をカナダの基準より落としたり」「成績を故意にかさ上げしたり」することも、目をつぶっていたのでしょう。
それが、外に漏れたのを受け、緊急の議論を行い、形だけの警告発したと思われます。
この後Offshore-Schoolの数は10以上も増えたのを見ると、大した規制かけていないと推察出来ます。
次に、BC州への高校留学に関与している各地域の教育委員会に対して、BC州政府は下記のことを義務付けました。
なぜか一般には公表されなかったようで、政府内からリークされた情報をメデイアは公開しています:
1.留学生を受け入れるBC州教育委員会は、受け入れ方針、授業料収入などの会計報告を年に一度報告する義務がある。
2.留学生や親からの苦情処理のプロセスを明確にすること。
3.Offshore-Schoolはカナダ国内の高校とパートナーシップを持ち、高校卒業資格認定を厳しくすること。
4.留学生個人の英語能力に合わせたレベルのコースに入れること。
5.カナダ北部や、田舎の高校への留学生には奨学金を出すなどして勧誘すること。
6.Offshore-Schoolsは、教師集めに苦労している事実を認識すること。
7.各教育委員会留学生プログラムのために留学生を勧誘してくるエージェントの質についての基準を設定すること。
8.卒業後の進学先となる高等教育機関と連携し、留学生がカナダの教育制度をよく理解出来るシステムを作ること。
6年前の決定です。
さて、BC州の高校留学プログラムは変わったでしょうか?
1の報告義務については、果たされているかどうかは調べようがないですが、まぁ、きれいな洋服でも着せたような形式的な報告書でしょうから、無視しましょう。
2の苦情処理プロセスは、機能しているようには思えません。
数多くいただくご相談にも、エージェントを通して学校に相談しようとしても「大丈夫ですよ」しか聞けないとか、学校に直接苦情を言いたくても、どうしたらいいのかわからないというものが多いです。
全く警告無視かも。
4については、年ごとの報告書にも関係あるのでしょうか、厳しくした地区が多い気が来ます。
以前なら、ESLまたはELLが終わったらEnglish10という流れが普通だったところ、English9の同等のレベルのELLを設置し、長い間留学生をそのレベルに留め置く学校が増えました。
もちろん、何の準備もなし、能力も低いまま留学すると当たり前の処遇ですが、何もわからないまま受け身の留学生が2年目も、3年目もEnglish10に上がれていない事実は、受け入れ校の怠慢でもあると思います。
ただ、入ってから厳しくすればいいものじゃなく、入学を判定する段階で厳しくしてほしいです。
ま、それでは授業料収入が激変するでしょうから、ずるい手に出たなと思います。
授業料さえ払えばこっちのもの、あとは何年ESLにいようが、途中帰国しようが、受け入れ学校には関係ないことなのでしょうか。
5番については、聞いたことがありません。
人口が減少し、経済が停滞する地方を支える留学生の授業料ですね。
授業料の半分くらいは奨学金で賄えば、少しは田舎にグローバーライゼーションがやってくるかな?
いや、田舎の保守体質は高校留学生にはかなり厳しいですから、授業料免除くらいで、プラス・マイナス・ゼロでしょうね。
いずれにしても、全く前に進んでいない案だったようです。
それとも都会の地区が猛反対したのかも。
または、各地区の政治力で、裏のお金が動いているのかも知れませんね。
少なくとも、留学生の払う授業料には還元されていないことは確かなようです。
7のエージェントの質?
そんなもの、受け入れ教育委員会は知ったこっちゃないと思います。
教育委員会のYESマンとして、生徒をたくさん連れて来て、リベートを黙って受け取り、問題が起こったら教育委員会と結託してもみ消すのがエージェントの役割ですから、基準も何もないですね。
以前に、BC州のラングレーで「本当に起こったことを日本の親と、メデイアに伝えようとした時」脅迫されたことがあります。
ビジネスの障害になる!と。
「あのね、Machiko。 本当のことなんて日本の親に話してどうするの? このまま黙っていてくれたらうちとの関係もそのまま継続するし、お互いのビジネスに万々歳でしょう?」と言われたことは未だに明確な記憶として残っています。
7番全く機能せず、ですね。
現在留学中の高校生、そして親のみなさん。
どうですか? BC州政府の意気込みは、通っている高校に理解されているようですか?
もし、これに関してのエピソードなどありましたら、ぜひご連絡下さい。
今後留学する方、現在困っている方たちの役に立つと思います。
現在カナダの教育委員会留学生プログラムをひとつひとつ調査中です。
年明けには、すべてに問い合わせを出し、どれだけ日本人留学生を尊重しているのかどうか、本音を探っていく予定です。
その調査過程で、BC州のSchool Districtを詳細に見ていますが、正直気分がよくないです。
「日本人はだましやすい」という裏の思惑がチラチラ見えるのと、「そんなにうちの学校に来たいのなら、うちの方針にすべて従え」という傲慢さを隠しきれてないですね。
BC州、問い合わせへの返事が楽しみです。
2016年の反省は、とっくの昔に忘れたようですので。
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