30年に届く長きに渡り、日本人高校留学生そしてその親達への支援を行い、無数の相談に回答し、実際の現場でSOSの対応も行って来ました。

BC州、アルバータ州を始め、カナダ全土に散らばる日本の未成年のために「日本の子供をもっと大切に扱え〜」と叫び続けた経験だったような気もします。

 

そんな経験の中で不思議で仕方のないことが７つあります。

トラブルをお聞きするたびに、ご相談を受けるたびに「あれ？　なぜ？」と驚くことしきりです。

 

「高校留学の７不思議」

 

その１

「カナダの教育の仕組みを全く知らずに留学する、または子供を留学させるのはなぜですか？」

 

留学理由の一番肝心な部分であるべきだと思います。

日本の教育制度と比較し、子供の適性から、カナダの方が潜在能力を伸ばせるというのが理由であるべきですが。

「卒業出来ない」状況に陥ってもまだ制度を知ることより「魔法のような特効薬」を求める方が多いことに首を傾げています。

 

その２

「『留学＝エージェント』という回路で考えるのはなぜですか？」

 

Google検索で出てきた留学エージェントと数回会った（電話した）だけで、大切な子供を、大切な自分の将来を任せてしまうほど信用するのはなぜでしょう？

自分を、また自分の子供の能力も適性も知りもしないエージェントの勧める学校を、疑いもせず信用するのはなぜでしょう？

なぜですか？

 

その３

「留学先に決めた学校を徹底的に調べることをしないのはなぜですか？」

 

大金が飛んでいく留学です。

留学生自身の、送り出す大切な子供の貴重な時を託す学校です。

今の時代ネットでかなりの情報が出てきますし、直接問い合わせることも可能です。

学校に乗り込み、授業を見学させてもらったり、校長と面談することも可能です。

留学生の親には十分な権利があります。

それをせずに留学する（させる）のはなぜですか？

 

こうお聞きすると「エージェントから留学先学校の連絡が来たのが留学直前だったので。。」と答えた方が結構いらしゃいます。

「じゃ、なぜそんなエージェントを信用したのですか？」の言葉をぐっと飲み込んだことも多かったですね。

 

その４

「ホストファミリーという赤の他人を無防備に信用するのはなぜですか？」

 

10代の子供が異文化異言語下、他人と暮らすのは過酷な体験です。

「綺麗な家に住むやさしい白人家庭で、芝生でBBQしながら楽しく暮らす」のがホームステイではないです。

更に、ホームステイ状況は年を追う事に悪化しています。

そんな中に、留学生本人を知りもしないエージェントや学校が勝手に決めた家庭に、よく平気で預けられるなぁと不思議です。

なぜですか？

 

その５

「卒業出来そうもないとわかった時点でも、何の対策も講じず、ズルズルと高い授業料を払い続け、子供をカナダにおいておくのはなぜですか？」

 

たくさんいる19歳〜20歳の日本人高校留学生がその結果です。

なぜ、見込みなしと思ったら日本でやり直しの機会を考えないのか、迷える留学生がとても哀れに思えます。

なぜですか？

 

その６

「日本の学校でうまくいかなかったのに、なぜカナダの高校ではうまくいくと思ったのですか？」

 

カナダは世界有数の高い教育レベルの国です。

高校のレベルも卒業基準も高いです。

そこに準備もなしに送り、しかも英語環境で、カナダの同級生と同じレベルの授業にパスすると思ったのですか？

なぜですか？

 

その７

「なぜ無理やり高校留学ですか？」

 

人生の非常に大切な時期です。

まだまだ親が必要な未成年です。

親元で、自分の国で、大人になるまで待てなかったのはなぜですか？

 

ここには親自身の論理的な理由が絶対必要だと感じます。

なぜですか？

 

（「英語が話せるようになるためは」理由にならないです。　英語は日本の高校で十分学習出来ます。

日本の高校で英語を習った高校生の方が、留学した日本人留学生より、はるかに英語力が高いという事実を知っていますか？）

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以上が私の経験した「高校留学の７不思議」です。

もちろん、ご相談の際に直接質問をぶつけることはありませんので、答えには未だにたどり着いていませんが。

実は。

こんな私の７不思議は、受け入れ側のカナダも気がついているようで、特に「その７」については非常によく質問されます。

 

「精神年齢も幼く、英語力もない未成年の子供を、なぜ日本の親はカナダに送るのですか？」

「なぜ日本の親は自分で面倒みないのですか？」

「自分の見えないところに子供を遠ざけたい理由でもあるのですか？」

 

30年近くカナダで続いて来た7不思議の結果です。

非常に残念ですが、日本人高校留学生を見るカナダの目でもあります。