大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「高校卒業留学」はエージェントさえも断る無謀計画」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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「高校卒業留学」はエージェントさえも断る無謀計画

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留学 大学・高校正規留学 2018-03-11 04:37

甘いな〜と毎日相談内容に呆れています。

エージェントさえも断る「高校卒業目的の留学」になぜ固執するのかな。

日本で余程うまくいかなかったんだろうと思います。

「留学」は逃げ道ではないですし、憧れでもありません。

現実を見据えること!

 

【質問】

 

来年の9月からカナダに3年間留学予定なんですが、エージェントがなかなかいい所が見つかりません。

ディーサイドや留学ドットコム?を視野に入れてましたがディーサイドはカナダオフィスがなく手数料が半端ではない、留学ドットコムは私が希望している公立高校への卒業留学のプランがないとの事でやめました。

エージェントに頼らずに行ったら?と言われましたが手続きが分からないんです。AbbotsfordにあるAbbotsfordse senior secondary school で殺人事件が起きたのですか?そこを希望していたのですが少し不安です。その高校がある地区はすごく田舎ですよね?

 

【回答】

カナダからの忠告です。

30年近く、カナダに来る優秀な日本人高校生・大学生の支援をしています。

BC州、アルバータ州を中心に活動しています。

 

元々の高い学習能力・英語運用能力・クリティカル・シンキング能力なしで「高校留学」特に「卒業を目的とする留学」をする日本人高校生の惨状を現地カナダから報告し、多くのコラムを書いていますので、まずは参考までに読むことを強くお勧めします。

「カナダに高校留学を考えている中学生の皆さんへ忠告」

高校留学の凄まじい現実ー体験者の声特集」

カナダの高校留学制度は穴だらけーカナダメデイアCBCがようやく現実を報道」

 

1.カナダの高校は、一般的な日本人高校生のレベルの低さをよく知っています。

 

何の準備もなく、英語も出来ず、日本の学校の成績さえもトップクラスではない高校生が、精神的に幼いままで送られて来る現実もよく知っています。

ただし、留学生の払う非常に高額な授業料は、スクールボード・各高校にとっては非常に魅力的で、とりあえず、学校隅で時間を過ごして帰って行くだけの日本人高校生はいいカモです。

英語が出来ないので、何の文句も言いませんし、親もおとなしく授業料を払うだけで、学校には何の発言もしないですから。

絶好のカモです。

 

しかしながら、レベルが低すぎで、スクールボードや学校は日本人高校生の面倒をみたくはありません。

低レベルのため、通常の授業に入れられず、生活面でも英語が出来ないために、面倒のみようがありません。

従って、エージェントにすべてお任せで、トラブルがあっても文句を言ってこないエージェントを選び、数名づつ受け入れているのが現実です。

 

エージェント自身も、トラブルがあっても日本人生徒を守るのではなく、学校・スクールボードの機嫌取りに終始します。

生徒ひとりを送ると授業料の15〜20%程度のリベートをもらっているので、学校側に立つのがエージェントです。

それプラス、実際は何もしないサポート費とやらで高額の請求するエージェントはとんでもない詐欺だと思って下さい。

 

2.カナダの高校は「卒業目的」の日本人高校生は受け入れたくないのが本音です。

 

1990年代最初から始まったカナダの公立高校留学生プログラム。

授業料収入に目がくらんで始まったプログラムです。

でも、蓋を開けてみると、レベルの低いこと、低いこと。

まるで日本においておいたら恥ずかしいので、親がわざわざ高い授業料を払い、カナダが面倒をみることを期待して送り込んでいるような状況に、さすがのカナダも方針変更しました。

 

1年の短期は大歓迎。

正規の授業ではなく、留学生だけのESL、または現地カナダの高校生の邪魔にならないよう、英語の必要ない体育とか金属加工とかのクラスの隅で時間を過ごさせる1年間。

何の英語能力がつかなくても、問題にもならず日本に帰っていってくれますから。

学校には責任はありません。

トラブルがあればエージェントに押し付ければいいですしね。

 

ところが、卒業目的となると話は別です。

学校にはそれを助ける責任が出て来ますから。

しかも、過去の苦い経験で、日本からのレベルの低い高校生がカナダの高校制度の卒業資格を取ることは、まず不可能だと知っています。

「嘘」をついてまで、「卒業出来るからいらっしゃい!」とはスクールボードも学校も言いません。

 

リベートほしさに、「卒業は簡単ですよ」と嘘をつくのがエージェントです。

 

現在、多くのスクールボードは、日本人が「高校卒業目的」で来ることを拒否するようになりました。

来てもらっても、卒業はおろか、10年生レベルのコースが取れるまでに2年程度はかかるケースが普通ですから。

10年生レベルのコースに上がってから、また数年かかります。

学校にとっても、そんな生徒を抱えていると、州の教育省の査定に引っかかり、問題となる可能性もありますので、「日本人? 卒業目的? NO!」の傾向がどんどん広がっています。

 

その傾向に押され、「卒業目的の留学は取り扱っていません」というエージェントも増えて来ています。

どうせ、トラブルが起こるのは目にみえていますし、わざわざカナダの学校が嫌がる長期の留学生など紹介することは避けたいと思っているようです。

 

3.本当に自分に能力があると思い留学を目指しているなら、必ず自分で直接スクールボードに連絡すること。

 

日本の学校での優秀な成績証明書と共に、問い合わせを出すと、丁寧に対応してくれますよ。

こんな優秀な生徒が、しかもひとりで出願!

これはぜひうちに来て欲しい、しかもエージェントに払うリベート分がなくなるので、絶好の生徒だ!と。

「留学エージェントなしのマニュアル」もコラムにしていますので、読んで見て下さい。

ただし、日本でのトップクラスの成績と、英語の高い能力、精神的に大人であることが条件です。

 

4.アボッツフォードはインド系移民が多く暮らす町で、移民間のギャング抗争が結構頻発します。

 

大学生年齢の生徒たちをアボッツフォードのUFVでサポートしていますが、彼らはもう大人ですので、カナダの常識を学んだ賢い行動を取れます。

治安は決していいとは言えませんので、親から離れた15〜16歳が暮らす場所としてはお勧め出来ません。

また、留学生授業料を儲けようと、たくさんの留学生を受け入れている地区ですので、ESLコースで外国人留学生だけを隔離する形でプログラムが組まれています。

ESLの講師は頻繁に変わりますが、以前訪ねた時には「日本人大嫌い」雰囲気のプンプンする中国人女性が講師でした。

日本人高校生にはキツイでしょうね、そんなESLは。

 

昨年の殺人事件は、外からの侵入者の無差別殺傷事件でしたが、カナダ全国の大きなニュースとなりました。

 

 

「9月から3年間留学予定」は大幅な見直しが必要だと重ねて忠告しておきます。

日本で成績優秀な場合でも、3年で卒業するのは相当なチャレンジです。

ほとんどの「卒業目的」日本人は中卒のまま途中帰国か、仮に頑張ったとしても4〜5年はかかることも認識しておいて下さい。

 

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