大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
「コミュニティカレッジ進学は簡単」という日本人の思い込み
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「コミュニティ・カレッジから大学に編入する留学」という謳い文句に引っかかり、時間もお金も無駄にしてしまった日本の方は非常に多いと思います。
特にアメリカのコミュニティ・カレッジに至っては、冗談かと思う内容ですが、今回は私の住むカナダのカレッジ留学についてお話します。
多くの日本の方の夢を壊すと思いますが、「留学」は「夢物語」ではありませんので、真剣に参考にしていただければ嬉しいです。
(質問)
「現在高校三年生で来年の春からカナダに渡航して(TOEFLのスコアを使って直接入学というのは難しいと思うので)語学学校に通って条件付き入学という形でコミュニティカレッジへ9月入学したいです。 語学学校にも大学付属の語学学校と大学と提携して条件付き入学ができる私立の語学学校があります。 どちらのタイプの語学学校に通うかで迷っています。 それぞれのメリット・デメリットを教えてください。 」
(すでに1人の回答者が「TOEFLも取れないのなら日本にいなさい」というコメントを載せられていました。 苦笑しましたが、正に正論。 ただもう少し説明がいるかなと私なりの回答をしました。)
(回答)
カナダのUniversity, College に入学するのは非常に難しいです。
アメリカと異なり、College のレベルもかなり高いです。
カナダのCollege は、University が持たない実用的なコースを多く持ち、それらスキルのCertificateを発行してくれます。 クラスの規模も小さいので先生と話す機会も多いです。
ただそれだけの違いですので、特に、日本からの学生が入学する際には大きなハードルを越える必要があります。
英語能力を示さないと入学が許可されません。
例えばTOEFLで言えば、大学は大体iBT90以上, College のアカデミックコースは80~88が足切りという所が多いです。
そのレベルに到達するために、英語力の低い学生が準備をする学校には大きく分けて3つの種類があります。
1.大学が直接運営しているESL(外国人のための英語コース)
授業が行われるのは大学キャンパスで、講師も大学が直接雇用する人。 留学生対応も大学職員が行います。
ただし、ESLコース自体への入学にもTOEFLの基準があります。
TOEFL40〜50前後が足切り点です。
5年くらい前までは足切り点はなかったのですが、TOEFL50も取れないレベルでカナダにやって来る学生は、そこから上に行くことがほとんどないというデータを基にしています。
「余りにもレベルが低すぎて、自分がどう英語の勉強をすべきかもわかってない。」とカナダ大学関係者の言です。
2.大学付属のように宣伝はしているが、実は大学の敷地を借りて運営している単なる語学学校
日本からのみなさんには、1と2の違いはなかなか判断出来ないようですが、大きな差があります。
大学自体は関与していないので、方針、人材は私立の語学学校と同レベルです。
また、レベル分けは学校自体が勝手に行い、適当なレベルに入れられます。
かなり低いレベルの学生(日本人も多いです)と一緒に勉強することになりますし、そこから上に上がるのは至難の技です。
余程の自己動機と学習能力が必要です。
3.いわゆる語学学校
TOEFLなどの点数が低すぎるか、自分で行動することの苦手な留学生を集めて、短期で雇った講師や職員を使いビジネスをしている所です。
カナダの都会にはずいぶんあり、宣伝も活発です。 エージェントにたんまりリベートを出しますので、留学エージェントを通してカナダに来る場合、必ず勧められるのが語学学校です。
宣伝用の写真を見ると、さも素晴らしい環境にある学校のように見えますが、実は街外れの寂しい所にある(危険な場所の場合も多いです)ビルの一室だったりしますので、騙されないように。
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本気でカナダのDegree を目指すのなら、必ず1番に挑戦して下さい。
そして日本にいる間に最低TOEFL50は取ってから来ること。
TOEFL50というのは、かなり低いレベルです。
もしそれも取れないのなら、カナダに来てもDegreeを取るのは限りなく不可能に近いです。
TOEFLの必要ない2番に、仮に、行ったとしても1年もたたないうちにご自分の間違いに気がついて後悔すると思います。
3番の語学学校は全く勧められません。
お金と時間の無駄。 英語の能力も日本にいる時に変わらないまま、帰国することになります。
見分ける目安のアドバイス:
一番派手に宣伝しているのは3番の語学学校。 つまり宣伝しているところは避ける。
留学エージェントの進めるところも避ける。 語学学校と提携しリベートビジネスを行っていますのであなたの払う授業料は山分けされてしまいます。
1番の大学は宣伝はまず行いません。
ただ、今の時代インターネットですべての情報が手に入りますので、自分の能力・適性をよく考え、時間をかけて探してみることをお勧めします。
そして自分でコンタクトを取ること。
そして英語の能力を出来るだけ高くしてからカナダに来ること。
一回きりの人生、無駄にしないよう、着実な計画を立てて目標に進んで下さい。
Good Luck!
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