荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「カンボジア不動産詐欺事件」
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こんにちは!
さて、先般カンボジアの不動産を巡る詐欺事件がニュースとなっていました。
カンボジアの不動産会社の代理店を名乗る「FIRST不動産」という事務所が、2011年ごろからカンボジアの不動産投資と偽って、投資詐欺を重ねていたようです。
警察によれば、全国39都道府県の200名以上の人から、20億円を超えるお金をだまし取ったとのことです。
同不動産事務所の元社長を含め13人が逮捕され、民事訴訟においては、すでに損害賠償を命じる判決も出ています。
ただ問題なのは、「そのお金が戻ってきていない」ということです。
日本国内で詐欺に関わっていた人間には、一定の報酬しか支払われておらず、だまし取られた大半の資金は、カンボジアにいる首謀者に送金され、戻ってくる目途は立っていないとのこと。
国外での詐欺事件の場合、日本の警察の捜査権は及ばないため、現地の警察の協力を求めるしかありません。
「犯罪人引渡条約」を結んでいる国であれば良いですが、世界的には締結していない国の方が、まだ多いのが実状のようです。
残念ながら、今回のケースも「お金」が手元に戻る可能性は、低いかもしれません。
「海外分散投資」の助言を行っている立場で言えることは、まず“実態”がしっかりとわからないものには、絶対投資をしてはいけないということです。
私も過去に、海外の詐欺商品のプレゼンテーションを見たことがあります。
立派なパンフレットに、一流ホテルでのセミナー、多くの人が惑わされていました。でも、そのような体裁は、「お金」を積めばいくらでも装うことができます。
また、最近特に、海外の不動産投資の話しが私の耳にも入ってきます。
中には、まともな話しもありますが、たとえ詐欺事件でないにしても、現地の「不動産流通の仕組み」、「登記方法」、「売買制限の有無」、「不動産取引の商習慣」、「不動産市況」などすべて理解したうえで、しかも現地を見に行くのは最低限必要なことだと私は考えています。
有価証券と違い、不動産は見ることができ、内容を確認しやすい商品と言えます。
逆にそれを怠ってしまうと、昔、日本でもあった全く価値のない土地を買わされてしまうといった「原野商法」にあうリスクも高まるわけです。
国内外を問わず、そして有価証券・不動産を問わず、美味しい話は“絶対”にないことを、肝に銘じておくことが肝要ですね。
それでは、今週も平和で穏やかな週末をお過ごしください!
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