対象:投資相談
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最近、私は世界の経済に興味を持っており、とくに通貨に興味があります。
通貨について調べていた際、欧州単一通貨「ユーロ」を見てふと思ったのですが、もし、今の世界が通貨を統一するとしたら、世界の経済やビジネスなどに、どのようなメリットとデメリットが生じるでしょうか。
またそのメリットとデメリットが、経済やビジネスだけではなく、他に何か影響を及ぼすのでしょうか。
主に聞きたいのはデメリットの方なので、デメリット面について、どのようなデメリットがあるのか、それらはどのようにして生じるのか、またそれらがもたらす経済やビジネスへの影響は何か、これらを詳しく書かれていただければ、幸いです。
mskwさん ( 東京都 / 男性 / 16歳 )
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想像力を働かせましょう
mskw様、はじめまして。
ファイナンシャルプランナーの森本直人と申します。
ご質問の件、まずは、通貨が統一された世界を想像してみましょう。
その世界では、例えば、中央銀行としての日本銀行は、なくなっていますよね。中央銀行は、世界でひとつということになります。
したがって、通貨が統一された世界では、各国が単独で、国内の経済状況みながら、政策金利を決めたり、通貨の量を調整することができません。それが、デメリットです。
一方、メリットは、ヒト、モノ、カネが、為替リスクを気にせずに、世界中を自由に行き来できるようになるということです。
ですが、このことは、ある国にとってはメリットかもしれませんが、他の国にとっては、デメリットかもしれません。
例えば、想像していただきたいのは、日本の個人金融資産1400兆円の動きです。
現状、日本の個人金融資産の多くが、金利差があっても、国内にとどまっている理由は、おそらく為替リスクがあるからです。
そこで、もし為替リスクがなくなったら、少しでも金利が高く、信用度のある国へと資金が動いていくはずです。
そうなったら、日本国内の金利水準も、外国と同等以上にせざるを得なくなり、財政問題を抱えている日本政府は、大幅な増税の必要に迫られるかもしれませんね。
さらに、所得の高い個人や企業は、増税を嫌って、税金の安い国に逃げていくかもしれません。
結果として、日本が空っぽになってしまうかもしれないということです。
つまり、通貨統一のデメリットは、特定の国や地域に富が集中し、格差が拡大してしまうということです。
したがって、通貨統一は、同じ力関係の同じ地理条件の国同士で行わないと、上手くいかないのだと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
回答専門家

- 森本 直人
- (東京都 / ファイナンシャルプランナー)
- 森本FP事務所 代表
オフィスは千代田区内。働き盛りの皆さんの資産形成をお手伝い
お金はあくまでライフプランを実現する手段。決してお金を目的化しないというポリシーを貫いております。そのポリシーのもと、お客様の将来の夢、目標に合わせた資産運用コンサルティングを行います。会社帰りや土日など、ご都合のよい日にお越しください。

吉野 充巨
ファイナンシャルプランナー
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世界統一通貨についての私見
mskw 様
初めまして、ライフ・プランの実現と資産運用を支援するオフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨です。
世界統一通貨の成立までに様々な難関があります。その難関を越えることの難しさがデメリットに繋がります。
私見ですが、困難さは下記の4点に集約され、その裏返しがデメリットに繋がります。
1.通貨を統一しますと、発行体が必要になります。
世界政府のような機関が必要になりますが、各国と各地域の金融政策の整合がとれず、地域間格差が広がります。現にユーロ圏でも、良いことばかりではありません。経済が順調に発展している間は、矛盾が出ませんでしたが、今回の危機対応のようなケースでは、各国の経済回復に格差が広がり、PIIGS各国の離脱さえ真面目に議論がなされています。良いことばかりではないのです。
2.上記発行体の通貨政策の統一性が取れません。
各国、各地域の経済発展が、規模・スピードなどが異なり、通貨を統一した場合には、その国の通貨がありませんから、通貨による購買力平価の調整ができません。これが、各国・各地域の格差拡大に繋がります。(経済力が強い国はより強く、脆弱な国はより脆弱になります)
従いまして、環境問題を議論したCOP15のように、政策が纏らない(不在)通貨になります。
3.発行量の決定が出来ません。
通貨の量は需要と供給のバランスで成り立っています。世界経済のインフレにあわせて通貨量を調整するのですが、大変な困難さが生じるものと思われます。これを行うための機能を構築するには莫大なコストかかるものと思われます。経済に対する負担が大きくなりそうです。
補足
4.各国の通貨が統一通貨に移行する際の基準を、世界中の国がクリアーしなければなりません。
例えば財政規律などです。日本は今話題になっているギリシアより、GDPに対する国債の発行額=負債が大きいのです。このため統一通貨への切り替えには、大きな痛み(財政規律を護るための緊縮財政など)を受け入れなければ為りません。
これを世界全体が受け入れる・受け入れた後は維持するための痛みに耐えられるとは思えません⇒1に書きました格差に繋がります。
5.世界統一通貨よりも、国際通貨期間(IMF)のSDR(特別引出権)でドル・ポンド・ユーロ・円の通貨バスケットように、各国の通貨準備を保管する制度を充実することが、統一通貨としての機能が果たせるのではないかと、私は考えます。
なお、IMF日本事務所のホームページにSDRの定義や目的等が掲載されています。
宜しければ下記をご一読ください。
特別引出権(SDR)
http://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/sdrj.htm
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