対象:住宅設計・構造
新築するため外構業者に擁壁を作ってもらっています。
先日現場確認に行ったところ、型枠ブロックを使うはずが重量ブロックで擁壁が作られていました。
すぐに業者に確認すると、既存の擁壁が150mmでそれに合う型枠ブロックがないため、現場判断で重量ブロックに変更したとのことでした。
強度が増すように、全てに鉄筋を通しコンクリートを流しているので強度的な問題はありませんと言われました。
ただ施主確認を怠ったので、希望するのであれば全て取り壊し、再度型枠ブロックで施工し直すとのことです。
やはり設計図通り型枠ブロックで作り直してもらった方が良いのでしょうか?
高低差1.5mの所に1.8mの擁壁を作っています。
tubakikkoさん ( 千葉県 / 男性 / 39歳 )
回答:2件
森岡 篤
建築家
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型枠ブロックとコンクリートブロックは全く別物
tubakikkoさんこんにちは
型枠ブロックを使用する擁壁は、誰が設計されたのでしょうか。
一番良いのは、擁壁を設計した方に現状を判断してもらうことですが。
重量ブロックとは、C種コンクリートブロックの事だと思います。
コンクリートブロックと型枠ブロックは、全く別の材料工法です。
コンクリートブロックは、一般のコンクリートと比べ強度が低く(C種でも1/3以下)、壁の重量を減らすため中空に作られた(充填は想定されていない)、塀や間仕切壁など、余り荷重がかからない軽微な壁に使われます。
コンクリートを中空孔に詰めようとしても、タテ方向の孔しかないので、充填することすらできません。
型枠ブロックは、強度の高い構造壁を構成するために設計され、ブロック材料自体の強度も高く、タテ方法、ヨコ方向に十分な配筋をし、コンクリートが充填できるようにできています。
現場打ちコンクリート壁に近い性能の構造壁を作ることができます。
残念ですが、高低差1.5mの擁壁は、型枠ブロックでないと無理だと思います。
このような工事をする会社だと、基礎の配筋も気になるところですね。
参考にしていただけたら幸です。
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東京都中野区の建築設計事務所 注文住宅/二世帯住宅/リフォーム
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評価・お礼
tubakikkoさん
外構の設計士は型枠ブロックと重量ブロックの強度は認定があるかないかだけで変わらないと言っていました。
しかし、建物の設計士がダメだしをしてくれたので、結果全て施工しなおしとなりました。
ありがとうございました。
安藤 美樹
建築家
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擁壁について
tubakikkoさん、こんにちわ。
安藤建築事務所の安藤です。
相談の文章より、心配になりました。
建築規準書では以下のように決められています。
「計算を省略している場合は、
ブロックは、原則、土に接して設けてはいけない。但し、C種防水ブロックか型枠ブロックを使用するのであれば、40cmまでであれば土に接しても問題ない。
(40cm以下であれば、地震時の土圧による曲げ応力に対して問題ない。)
上記以外は構造計算により設計を行う事」
とされています。
高さ1.5mというのは、実際、擁壁に土圧と水圧が大きくかかります。そして家の位置が擁壁に近いのであれば、土圧の大きさが更に大きくなるのです。
家の荷重を考慮した土圧で、構造計算をすることをお勧めします。
擁壁は自分の家でなく、他の人の安全もかかわってきますので、慎重な対策をされたほうが良いと
思います。
少しでもお役にたてればと願っております。
評価・お礼
tubakikkoさん
全て施工し直すことにしました。
ありがとうございました。
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