対象:住宅設計・構造
回答:4件
リビング階段
リビング階段は、お子さんが学校から帰ってきたとき二階の部屋に行くまで必ず通ることから「家族のコミュニケーション」をとる手段のひとつとされています。
高気密高断熱住宅ではリビング階段に仕切りを設けず、室内全体を冷暖房する考え方がありますが、一般住宅では一階の階段口(2階は落下の恐れがありキケン)にトビラを設けることが多いですね。
階段口の場所にもよりますが、階段最下部にフラットなスペースを設けられればトビラの種類に左右されにくくなります。
二階からいきなり降りてきて開閉しても危なくない「引き戸」が無難かもしれませんね(^^)
回答専門家
- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
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引き戸の方が安全です
階段の上下に戸を設置する場合は、引き戸にするのがよいと思います。
開き戸は操作するときに前後に体を動かす必要があり、足場の不安定な階段では危険が伴います。また、自分以外の誰かがふいに戸を開けたときなど逃げ場がなく、ぶつかって怪我をしたり落下する危険があります。
間取りによって引き戸の採用が難しい場合は、戸と階段の間に畳半分ほどの平らな部分をつくっておくと危険が軽減されます。
ところで、リビング階段とはリビング(家族のいる部屋)を通らないと使えない階段のことだそうで、おもに親子のコミュニケーションを容易にする手段として語られるものらしいですね。ところが私のまわりの設計仲間たちで、この言葉を知っている人はいませんでした。私も知りませんでした。
コミュニケーションに対するアプローチの仕方は様々で、リビングを通らないと使えない階段などは否定的に扱われることもしばしばです。不動産用語としての「リビング階段」が我々の理解とは違うかたちで一般に浸透しているのは興味深い事実ですね。
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開けっ放しの場合を考えましょう。
先の回答者と重なる部分もありますが、私が心がけていることを述べます。
冷暖房の効率を考えて扉をつける場合は、春・秋の気候が良い時期は開けっ放しになりがちです。その他、家事で家中を動き回ったり、荷物の出し入れなど、開けっ放しの時は意外と頻繁にあります。ですから階段の扉は「開けっ放し」を前提に設計しています。
さて引戸とドア(開き戸)についてですが、引戸は壁に沿って開閉するので、通路に扉が出っ張らず人の動きがスムーズです。ドアで扉が手前に開くとき、大きな荷物があると面倒なことがありますね。階段は通行が多いので、人の動きが楽になるようにしておきたいところ。またドアは開け放すと、ノブがあるため壁にくっつくことができず、その分通路を狭くします。引戸はその心配はありません。
階段の上り口・下り口は家の人同士がぶつかることが多い場所。衝突防止のために、扉には部分的にでもガラスを入れ、向こうの気配がわかるように、また、万が一階段から転落したとき、ぶつからないよう扉の位置にも注意したいところです。ガラスが大きいときには飛散防止フィルム貼も検討すべきでしょう。
ところで、つい先日、リビング階段を上がったところにある、庭を見渡すピアノコーナーのコラムを書きました。階段の踊り場を広くしてピアノ置場にしたものです。
上の写真のピアノの横にあるのがガラス戸で、暖かい時期はこのように開きっ放しですが、冬の寒さが厳しい地域なので、冬場は戸を閉めて階下のリビングに冷気が下りるのを防ぎます。全面ガラスですから、戸が閉まっていても景色を損ねることはありませんし、階段の上り口側にあるので、先に書いた衝突の心配もありません。
階段のドアに限りませんが、使い勝手・事故防止・デザインなど、様々な条件を踏まえて検討して下さい。
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記事制作に関するご相談
宮原 謙治
工務店
6
リビング階段の功罪
大阪の住宅家・幸せこだわり住宅職人謙さんです。
『リビングに階段をつけたいのですが・・?』
このようなご相談が、最近多いなーも思います。よくっ調べてみると、どこなの先生の本で紹介されているとか。。。。
家づくりのご相談の場合、お聞きすることのひとつに、
『そのきっかけ(動機)は何ですか?』『目的は・・・?』『役割は・・・?』 ということがあります。
ご質問のリビング階段に建具を欲しいという動機は、冬場に寒いからということになりますね。
目的はというと何でしょうか? この場合は、動機と同じなのでしょうか?
その建具の、役割は目的を果たすことですから、冬場に寒くないようにすることとなりますね。
また、『この建具をつけることの、メリットとデメリットは何でしょうか? 今は良いけど将来はどうでしょうか? 他に方法はないでしょうか? 』という事を常に考えます。
謙さんは、リビング階段のデメリットはあっても、メリットはないというのが持論です。
特に子育て家族の場合は大変なことになってしまうという危機感を持っています。
補足
『何故、リビング階段が欲しいの・・?』
『子どもが、外から帰ってきてもすぐわかるし、外出する場合でもわかるでしょう。声もかけられるし・・・だって、最近の子どもは、何をしでかすかわからないでしょう。コミュニケーションの為にも必要と思うのですよ・・・。』
『そうですか、子供の行動が不安なのですね。だから、見張り番として、守衛さん役のリビング階段が必要なんですね・・・? このことを、子供が知ったらどうですかね? 世の中で、自分のことを最も理解し信頼してくれる人は、親ですよね。その親が自分のことを、このようにしかとらえていない。そこに、親子の絆が強まるのでしょうか?』
など等・・・・・・。。
謙さんは、リビング階段しか方法がなければ仕方にと思いますが、『方法は他にたくさんありますよ。』と言いたいのです。
だまって帰宅したり、外出しない子供に育てるのが親の子育ての役割です。そのことを習慣化させ、子供の躾をするのが親の責任でもあります。信頼された家族の楽しい会話が飛びかう住まいの環境づくりが、住宅設計です。
その為の、条件と原因を住まいという中心的生活環境に仕組んだ時に、リビング階段の話が消えていく気がするのですが・・・・。
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