対象:民事家事・生活トラブル
回答数: 1件
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賃貸マンション上の階から水漏れがありました。
上階の方の加入している火災保険で、壁・クロス・電気
製品は、保険がおりましが、真価不足分は、自分の火災保険で出してもらえると、相手の保険会社の方から教え
てもらいました。
自分が加入している保険屋(加入当時は、無認可共済
です。)は、事故発生日から30日経過後の報告なので
保険適用外と言われました。他の保険会社に尋ねると
30日の規定は違法とか、30日が過ぎても一部保障など
限定的に保険適用されると聞きました。
自分が起こした事故でもなく報告が遅れたのは確か
ですが、まったく保険適用はされないのでしょうか?
また法的には30日という規定は必ず守らないといけないのでしょうか?
保険にお詳しい方、お答え頂ければ幸いです。
やまごんさん ( 兵庫県 / 男性 / 30歳 )
回答:1件
村田 英幸
弁護士
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通知が遅れた場合でも
やまごんさん、こんにちは。
商法では、保険契約者または被保険者は、保険者に事故発生および損害を通知しなければならないと規定されています(商法658条)。
商法では、通知義務違反の効果について、定めはありません。
しかし、損害保険の約款では、正当な理由がある場合を除き、通知義務違反の効果として、保険者の損害填補責任の全部免責を規定しているのが通常です。
この点、最高裁判所昭和62年2月20日判決は、保険普通約款所定の対人事故通知義務の懈怠の効果につき、以下のとおり判決しました。
自家用自動車保険の保険契約者又は被保険者が保険者に対してすべき対人事故の通知を懈怠したときには保険者は原則として事故に係る損害を補填しない旨の普通保険約款の規定は、当該対人事故の通知義務の懈怠につき約款所定の例外的事由がない場合でも、保険契約者又は被保険者が保険金の詐取等保険契約上における信義誠実の原則上許されない目的のもとに通知を懈怠したときを除き、保険者において補填責任を免れうるのは通知を受けなかったため取得することのあるべき損害賠償請求権の限度においてであることを定めたものと解すべきである。
上記最高裁の判決では、通知が遅れたとしても、保険金を支払わない理由にはならないと結論されました。
したがって、ご質問のケースでは、詳しいことは不明ですが、事故原因が不明な場合等を除き、保険共済の支払義務は免れないと思われます。
なお、事故原因が不明で、事故後5ヶ月後に通知があった場合には、保険者に全部免責が認められているケース(千葉地裁一宮支部平成10年2月6日判決)がありますので、ご注意ください。
大変な状況ですが、頑張ってください。
参考 ホームページ http://www.murata-law.jp
評価・お礼
やまごんさん
ご回答誠にありがとうございます。
判例大変参考になりました。
(現在のポイント:-pt)
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