対象:住宅設計・構造
建売住宅についての質問です。広告などを見ると建築条件付の土地に立てる予定の家というのは80?で1300万円であったり90?で1400万円であったりと坪にして50万円前後とかなり安いと思います。しかも設備や設計料など全てが含まれていてです。建売住宅はどうしてこのように安く建てられるのかおしえてください。建築家による注文住宅ではそのような金額で家を建てるのは不可能なことだと思うのでなんだか不思議に思えてなりません。(もちろん建築家が建てられた家と建売住宅とを比べることはナンセンスと思いますが)建売住宅か中古住宅しか変えそうもない私は建売のことをよく知っておきたいのでぜひおしえてください。
はにこさん ( 神奈川県 / 女性 / 37歳 )
回答:5件
例えてみれば
はにこさん、はじめまして。
建売住宅の場合は販売会社による備品類の大量仕入れによるコストダウンというメリットは確かにありますし、メーカーとタイアップして特定の製品だけに特化してその製品だけを使う代わりにコストダウンして提供させるという方法を取っているケースも多いようですので、ユーザーの要望に沿った製品が使われているということでは有りません。いわば先の方が書かれたように、商品としての住宅という扱いになる明確です。
手法として安い価格に設定するためのあらゆる仕様はぎりぎりのところで設定しています。
ユーザーが満足しなければオプションという形で製品を取り替えることになりますが、その場合は建売の設定製品と違うものになりますので製品の価格は値引きがほとんどない定価に近いものになってきます。
オプションをしないで建売のままで購入されれば確かに安いものになるでしょうが、通常はそれでは満足されないでオプションで変更ということが多く、最終的には一般の施工単価と変わらないような金額になってしまうことが大半だという事実を認識しましょう。
建築を作るシステムやコンセプトの立脚点が大きく異なりますので、われわれ設計者との比較は困難ですね。
例えてみれば建売住宅は普及タイプの一般市販車で、われわれが関わる住宅はオーダーメードですので他にない住宅ということでしょうか。
(ロールスロイスと書きたいところでしたが・・・(^^ゞ )
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建売住宅はどうして安い?
アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。
建売住宅は確かに安い場合がありますね。
では、どうしてそういう値段になっているのでしょうか?
他の先生方が言われるように、業者側のいろいろな工夫で価格が安価になっています。
ただこれには、土地を仕入れた金額と密接な関係があるはずです。
土地の仕入れ価格が安ければ利益が多くなり、高く仕入れてしまうと利益が少なくなります。
それに反して、建物の利益は品確法の関係もあり、通常それほど変りません。
ですから、土地を高く仕入れていると利益が少ないため、建物でできるだけ利益を捻出できる
ようにします。
そのため、あまり芳しくないものになってしまうのでしょう。
また、業者は売りやすい価格設定にするために売値を土地建物の総額で決めます。
例えば、総額3500万円の物件であれば土地・建物の面積を調整して利益が出せるように
しているはずです。
そこに、設備メーカーや工事業者の価格協力でコストダウンして利益確保に努めます。
こうしたことから、売値で坪50万円台はよく耳にする価格帯ではないでしょうか。
購入後のことを考えると建物の保証はもちろんですが、土地の地盤関係や将来の
メンテナンスを考慮した上で、住宅購入されることをお勧めいたします。
以上、ご参考になれば幸いです。
詳しいご説明が必要でしたらお気軽にお問い合わせ下さい。
宜しくお願い致します。
回答専門家
- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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鈴木 克彦
建築家
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構造にお金をかけてあるかどうかでしょう
はにこさんこんにちは。
ごく簡単に書きますが、
【建築条件付き土地】
周辺土地より必ず土地の単価は安いです。
建物の建築でその分の利益を取り戻せるからです。
【建て売り住宅】
注文住宅より安いです。
施主さんが選べるとしても、クロスや設備の色くらい。
できあがった商品を買うのと同じです。
構造は必要最小限で、建築基準法ぎりぎりです。
例外はあるのかも知れませんが、それはごくごく稀なケースだと思って下さい。
大事なことは、その家が何年持つか、何年そこで安心・安全に暮らせるか、だと思います。
※なお、批判ばかりしてもしょうがないので蛇足ですが、設計・デザイン料ばかり高いけど、構造は…、という建築家もあるでしょう。そう言ったことがないようにしなければいけないのが、私たちの勤めですが。
田中 光一
工務店
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大工の人工数
大量仕入れ、建て売りマンション向け商品の採用(これは最近一般の方々もインターネットで見つけることが可能になってきています)等によるコストダウンはありますが、なによりも大工さんの費用のかけ方が違います。どうしてこんなにと思うほど違います。同じ物を複数作ることの効率の良さ、そして、一般的にはそこに住む人を知らないため、細かいことを考えずにどんどん施工できる。そんなこんなで、とにかく早い。早くできればかかる経費も少なくなる。そのあたりがコストの大きな差ではないでしょうか?
建て売りをやる大工さんと、われわれの仲間の大工さんとは、大工さんと左官屋さんが違うくらいの違いがあるように思います。同じように、住む人を知り、住まわれ方を感じ、納得される笑顔を喜びと思いながら建てる住宅と、ハウスメーカーや、建て売りの住宅とでは、同じ住宅とは言っても違う物だと思っています。建っている建物を見ても、これはハウスメーカーの家、これは建て売りとすぐ解りますよね!住む人を感じないのでしょうね!私は住む人の顔が想像できる家、どんな人が住んでるんだろうと思われるような家を造っていきたいと思っています。
敷浪 一哉
建築家
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見えるお金と見えないお金
はにこさんこんにちは。
まず、広告などの金額の振り分けはあまり参考にされないほうがよいでしょう。
条件付土地での建売(この場合は売建ですね)住宅の場合、建売会社は土地と建物を総合して利益等を考えます。建売住宅の場合、土地での利益が大きいですから、建物は安めに表示している場合が多いです。
そういうことを踏まえましても、はにこさんのおっしゃるような金額で家を造る会社はたくさんあります。
彼らの住宅と建築家の住宅の大きな違いは設計に注ぐ「情熱」です。
通常建売などでのプランニングで検討される要素は「部屋数」と「面積」、それだけです。
そこに住む人たちがどういう暮らしをしたがっているのか、とか、光や風を取り入れるための緻密な計算、とか、実際生活していくうえで、住む人たちが一番強く感じる部分については全然力をいれません。
そういう部分が設計料として大きな違いになります。
その代わり、一度つくった設計を変更しようとするときに建売住宅の場合は追加費用がかかります。その追加によって、注文住宅並の値段になることもあるでしょう。
次に、工法と素材です。
建売住宅の大半は、工事にかかる期間がすごく短いです。
それは、簡単に組み立てられる工法だったり、建材だったりを使用しているので、一軒の家が出来上がるまでに注がれる人間の数が少ないです。
このような要素で、建売住宅は安く家をつくります。
家づくりは人生や家族にとってとても大きな要素で、ひとつひとつ違うものであるべき、と考えている我々建築家にとっては、すべてマイナスの要素として捉えていますが、
こういうシステムで安く家を作れるということは、建売住宅のメリットでもあります。
ただし、家を単なる「寝るための箱」として軽視し、その素材や、プランニングがお粗末だったことが、シックハウス症候群や、家族のつながりを奪うという社会現象の、大きな要因の一つであることは事実なんですが・・・。l
はにこさん
建売住宅はどうして安い?
2008/03/16 15:04安い仕組みはわかってきました。でも不思議に思うことがあります。なかなか売れないと建物が完成してから毎月少しずつ価格を下げてゆき半年以上で1000万円も下げていた物件が「タウンズ」にありました。4200万円から3200万円です。これは始めにふっかけた売り出し価格だったのでしょうか。はたして利益はあるのか?このような物件の広告をたくさん見ているとなんだか建売住宅に関しては始めの売値では絶対に買う気がしません。。。
はにこさん (神奈川県/37歳/女性)
(現在のポイント:2pt)
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