対象:心の病気・カウンセリング
私はHIV感染者です。感染を知って以来、同居しいてる家族に病気をうつしてしまわないか不安で仕方なく、手をずっと洗い続けたり、トイレから出ると1時間以上トイレの消毒をしたり、自分の触ったところが汚れている気がして家の中を消毒することが止められません。日常生活ではHIV感染はおこらないと知っていますが、どうしても不安になってしまい、日常生活にも支障がでます。現在精神科にも通っていて、サインバルタ20mgを2カプセル、セロクエル25mgを1回1錠1日3回で3錠、セロクエル頓服25mgを2錠、レキソタン頓服2mgを2錠、デパケンR200mgを1回1錠1日2回、ドグマチール錠50mgを1回1錠1日2回を飲んでいます。しかし症状はなかなか良くならず、毎日がとてもつらいです。現在飲んでいるお薬をなにか他のものに変えた方が良いのか、それともこのまま続けるべきか、またなにか良い治療法があれば、主治医以外の専門家の方にも意見を頂きたく相談させて頂きました。よろしくお願い致します。
117110105さん ( 神奈川県 / 男性 / 30歳 )
回答:1件

国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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認知行動療法が有効なように思われます。
こんにちは。カウンセリングセンター聴心館 国府谷です。
HIV感染で,いろいろと精神的に苦労され,そして今,家族に対して気を遣われていることから,今度は強迫性障碍(障害)ということで医師より処方を受けているとのこと。お気持ちお察しします。
強迫性障碍そのものは,強い思い込み(強迫観念)が生じ,苦痛を和らげるために自分自身で決めた“決まり”に基づいた行動(強迫行為)を繰り返す障碍です。本人は不合理と自覚しているにもかかわらず,コントロールができず,支障をきたします。一方,強迫行為はそのまま許容していると,さらにひどくなる悪循環が発生しますので,強迫性障碍を改善することにはなりません。
では実際にどう対応したらよいのでしょうか。
まず最初に,薬の処方についてはあくまでも主治医の判断事項ですから,不安症状がなかなか改善しない旨を伝えて,直接相談されるほうが良いと思います。
ここで,HIVについて,既にご存じのことと思いますが,確認しておきましょう。HIVのウイルスとしての感染力は非常に弱いものです。日常環境ではほとんど感染しません。一定のウイルス濃度をもつ体液(血液・精液など)が感染源となりますが,血液感染(傷口からの感染や輸血など),性的感染,母子感染のような状況でしか感染しません。
また,ウイルスそのものも体内の免疫細胞を攻撃するといった性質のもので,急性の毒物ではありませんが,今ご自身があたかもばい菌のように感じておられるのではないでしょうか?感染者ではあっても,決して毒をばらまいているような状況ではないと思います。なかなか気持ちを切り替えることは難しいかもしれませんが。
そこで,消毒行為が無くても実際の発症は生じないという体験をくり返しすることが,不安を消していく方法として重要です。認知行動療法はこうしたケースでは,非常に有効ですので,精神科の医師に認知行動療法を問い合わせてみるか,お近くのカウンセリングルームなどで認知行動療法を行うところを探されると良いと思います。
お近くにない場合には,私共で認知行動療法を行っておりますので,All Aboutの専門家への無料メールなどでご連絡下さい。なお,認知行動療法はメールや電話では実施しにくいものであることをご了承下さい。いつでもご相談に応じます。良い状態となられることを願っております。
http://www.choushinkan.com/
補足
私共聴心館は,精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医療行為は致しません)。カウンセラーの立場からは,判断することは医師法での診断に該当するため,直接的な表現は致しませんのでご了解下さい。
【強迫性障碍の要件】(意訳)
1.強い思い込み(強迫観念)があるか,強迫観念による行動(強迫行動)かのどちらかが
あること
1)強い思い込み(強迫観念)の場合
①くり返して出てくる思いや考え(衝動的なこともある)がおそってくるような
感じで体験され,強い不安や苦痛を感じさせる
②その思いや考えは,現実生活でのいろいろな心配事への過剰な反応ではない
③その思いや考えを無視したりコントロールしたり,何か別の考えで紛らわそうと
したことがある
④その思いや考えは,外部から強制されたものではなく,自分自身の心の産物で
あるとわかっている
2)強迫観念による行動(強迫行動)の場合
①くり返される行動または心の中の行為(心の中で行われる行為)で強い思い込み
(強迫観念)からまたは自分で決めた厳密なルールに従って,その行動をするよう
に駆り立てられている感じがする
②その行動または心の中の行為は,苦痛を予防したり和らげたり,または何か恐ろ
しい出来事や状況を避けるためのものである.実際には,この行動や心の中の行
為は,現実的には,苦痛の予防や和らげには関係が無く,明らかに過剰な反応で
ある.
2.この状態にあるどこかの時点で,自分の強い思い込み(強迫観念)や行動(脅迫行為)が
過剰であるまたは不合理であると考えたことがある
3.自分の強い思い込み(強迫観念)や行動(脅迫行為)が強い苦痛を生じ,時間を浪費し
(その行為に1日1時間以上かかる),または正常な毎日の生活習慣や職業・学校の活動,
日常の社会的活動,人間関係をひどく害している
評価・お礼

117110105さん
2010/12/21 00:46ご丁寧なご返事ありがとうございました。認知行動療法という言葉は聞いたことがあるのですが今まで薬物療法ばかりに頼ってしまい、あまり考えていませんでした。今日主治医に聞いてみたところ、入院をして認知行動療法を行うのも良いかもしれないとのことでした。ただ入院には少し抵抗があるという事と、家族が精神科への入院に関してあまり良い印象を持っていないようなので、この辺の問題も解決する必要もありそうです。ただ毎日辛い状況が続くなら入院して、きちんと治療をして日々をもっと気楽に過ごしたいので入院も前向きに検討したいと思います。ありがとうございました。

国府谷 明彦
2010/12/21 02:01コメントありがとうございました。
早速に主治医に相談されたようですので,ひとまずは良かったと思います。
ちなみに,通院の形でも認知行動療法は可能ですので,その旨,さらにご相談されると良いと思います。(その病院によって対応は違いますので,通院型の認知行動療法をやっていない所もありますが...)
困った時は,いつでもご相談に乗ります。決してひとりぼっちではありませんから,安心して下さい。良い結果が出ることを願っています。
(現在のポイント:2pt)
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