うつ状態か自律神経失調?診療と並行して原因の究明を
「現実的ではない状態」とは、具体的にはどのような症状を指すのでしょうか。ご主人の実家でのトラブルの後、イライラ感やめまい、疲れやすい感じもあるというお話なので、神経的な疲労が関係した症状なのかなと想像していますが、いかがでしょうか。
イライラ感やめまい、疲れやすさなどは、自律神経失調やうつ状態の際に出現しやすい症状です。原因としてはストレスや過労などがよく挙げられており、受診する科目としては心療内科や精神科が対象となりますが、重症者は精神科に行く傾向があるようです。
精神科でも心療内科でも病気の診断の後に、主として薬物による治療が行なわれます。心理療法としてカウンセリングなども行なわれますが、日本の精神医療の現場では、実際には薬物による治療のウェイトがたいへん高くなっております。
薬というものは、イライラやめまい、不眠、抑うつ気分、頭痛などといった臨床症状を軽減するのにはたいへん役立ちます。その切れ味と速さは何物にも変え難く、どうしても薬というものに頼る気持ちに患者も医療者もなりがちです。
しかしながらうつ病や自律神経失調などの病気には、必ず「原因」というものがあります。すなわちストレスや過労、悪い生活習慣や環境などです。薬にはそれを改め改善させる力は残念ながらありません。もし薬だけに頼っていたのでは、病気を根本から良くすることはできないのです。
従って薬物による治療と並行して、病気の原因を取り除き、健康な体と脳を取り戻す取り組みがどうしても必要となります。ご自身と周囲の環境を振り返り、原因となるものは何かありませんでしょうか。
一般論になりますが、うつ病や神経症の原因として意外と多いのが、「栄養バランスの破綻」と「低体温」です。逆に栄養バランスを整え体温を36.5℃に上げれば、おおかた改善します。これに関してはこのQ&Aとコラムで繰り返し解説しておりますので、参考になさってください。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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