退職届を出すと自己都合です

凄腕社労士　本田和盛です。

　退職届(願い)を出して、それを会社が受理して退職となる場合は、依願退職となり一般的には自己都合退職扱いとなります。しかし後々の紛争を回避するため、会社からの働きかけによる退職であっても、本人同意を得て、形式上は依願退職とする場合もあり、これだけでは違法とは言えません。
　重要なのは雇用保険手続き上、会社都合としているのか自己都合としているかです。
　失業した場合の給付に影響を与えるのは、退職理由ですので、最終的には会社がハローワークに提出する離職証明書がどうなっているかによります。
　離職証明書は離職票として本人に、会社から交付されますので、それで離職理由が会社都合になっていれば問題はありません。

　念のために労基法の退職時証明の交付を請求することも可能です。労基法で定められているものですので、拒否すると労基法違反となります。

労働者が退職に際して、一定の事項に関する証明書(退職時証明書)を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。(労基法22条1項)
　
証明する事項は下記です。退職の事由が入っているので、とりあえずこれで会社都合ということが証明されます。(交付を会社が拒めば、労基署に相談するしかありません)

使用期間(在籍期間)
従事していた業務の種類
その事業における地位
賃金
退職の事由(退職事由が解雇である場合は、その理由も含む)