事務員の放射線被曝は心配なし
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放射線被曝の胎児への影響は、放射線の線量に大きく左右されます。特に妊娠2〜3ヶ月目に高レベルの放射線被曝を受けた場合には、奇形などの深刻な影響が現れやすいので注意が必要です。
1回の単純撮影を受けた場合でも、放射線被曝量は意外と多くありません。CT撮影のレベルになると無視できない量の放射線を浴びますが、一般の方であれば健康上の問題点は殆んど生じません。ただ妊婦さんの場合には、CTのレベルの放射線でも胎児への影響が懸念されます。
レントゲン室での日常業務で放射線被曝を実際にどれだけ受けているかは、「フィルムバッジ」という記録紙をネームプレートの様に衣服につけて、月間の放射線被曝量を検出する方法が一般的です。通常は医師や放射線技師などがフィルムバッジを付けていますが、事務の方でも依頼すれば付けさせてもらえると思います。
放射線技師などが現実に被曝する放射線量ですが、私の約20年の病院勤務経験からいうと、全然問題にならないレベルです。もちろん撮影でモロに放射線を浴びれば話は別ですが、そんな無防備なマネは決してしません。撮影は鉛で覆われた部屋で行われるほか、技師自身も鉛でできた「プロテクター」を装着しますので、実際に浴びる放射線量は微々たるものです。
それに事務員がレントゲン室で機械を操作したり、患者さんに放射線を浴びせるような業務につくとは思えません。せいぜい患者さんの誘導をしたり、掃除や室内整備をするくらいではないでしょうか。その程度だとしたら、被曝量は限りなくゼロに近くなります。
百歩譲って、若干の被曝があった場合の話もしましょう。実は我々は、微量の放射線を常に浴びて暮しています。放射線がもしゼロだったとしたら生きてはいけないのです。微量の放射線はむしろ健康に良いとされています。これを「ホルミシス効果」と呼び、医療に応用されています。
従って放射線被曝に関して、心配する必要はないと思います。
補足
それでもご心配ならば、妊娠が判明した段階で、放射線が関係した業務からは外してもらうように交渉してみるとよいでしょう。人員の関係で、どうしてもその業務が必要な場合には、鉛でできたプロテクターとフィルムバッジを装着させてもらいましょう。そして撮影が行われる間は、撮影室から少し離れた場所で待機するようにします。
「放射線ホルミシス効果」に関しては、日を改めて解説する予定です。
評価・お礼
かーくん さん
ご回答ありがとうございました。
先生のご回答を妻に話したところ、安心して業務に携わる事が出来ると喜んでおりました。
以前、友人で妊娠していると気がつかずにレントゲンを撮ってしまい、悩んでいたいた事を思い出し、ちょっと神経質になっていました。
私も安心でき良かったです。
回答専門家
- 吉野 真人
- ( 東京都 / 医師(精神科) )
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この回答の相談
最近、妻が内科医でのアルバイトを始めました。
業務内容は受け付けや雑用なのですが、その雑用の中にレントゲン室での作業が含まれています。
これから妊娠⇒出産を考えていますが、もし妊娠した場合に胎児への影響が無いのかが心配です。
このままアルバイトを続けても問題ないのでしょうか?
かーくんさん (千葉県/37歳/男性)
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