対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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鉄骨、選ぶなら重量鉄骨
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jpapaさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
**メリット・ディメリット
鉄の弱点の一つは、錆です。
構造用鉄骨は、さび止め塗装で処理しますが、完全ではなく、湿気が多い場合錆びることがあります。
重量鉄骨は肉厚が厚いので大事には至る事は少ないですが、軽量鉄骨は薄いので、孔があいたり切れたりすることがあります。
軽量鉄骨の場合、価格は重量鉄骨より安いけれど、木造と比べメリットも見つかりません。
鉄骨にするなら、重量鉄骨をお勧めします。
木造の弱点は、腐食やシロアリです。
断熱のやり方で腐食しやすくなることがあります。
鉄骨と比べると、加工が楽なので、現場での自由度が高く、改修はやややりやすい反面、主要構造体との判別がつきにくいことが挙げられます。
**耐火
鉄は燃えませんが、温度が上がると強度が急激に落ちてしまいます。
木も鉄も、熱には弱いです。
3階建てでは、各々耐火規準があります。
**空間自由度
一般木造の耐震要素は耐力壁(筋かい)で、各階各方向に耐力壁が必要です。
間口が狭く、車庫とエントランスで全開口にしたいときは苦慮することがあります。
鉄骨造(重量)は、木造の筋かいと同じようなブレースと、ラーメン構造と言って、筋かい無しの構造を選択、組合せが可能です。
鉄骨造は、設計によりますが材料強度が高く、住宅であれば無理なく内部を無柱(柱無し)にでき、木造より自由度が高いと言えます。
**重量
鉄骨造は、床構造にデッキプレート+薄いコンクリートを使うことが多く、コンクリート系を使うと、木造より建物重量が重くなります。
コンクリートを使わなければ(木造床など)、木造と重量は大差ありません。
3t/平米の地盤は、地盤改良や杭が必要かどうか微妙なので、建物重量でコストが変わる可能性があります。
参考にしていただけたら幸です。
補足
**構造信頼性
今構造計算は、ほとんどコンピュータプログラムで行われます。
このことは、簡単に計算できる反面、構造の知識がなくてもできてしまう弊害が生まれています。
ハウスメーカーだから構造信頼性が高い理由はなく、同様に設計事務所も同じです。
構造の信頼性を望むなら、構造設計を信頼できる構造事務所に依頼することです。
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評価・お礼
jpapa さん
長所短所がわかりました。
ありがとうございます。
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この回答の相談
2世帯住宅の3階建で、建て替えを検討しています。
建坪18坪位で、床面積は48坪弱の予定です。
オール電化の外断熱が希望ですが、土地が少し軟弱(3t/?)な様です。鉄骨より木造のほうが安いと言われます… [続きを読む]
jpapaさん (東京都/41歳/男性)
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