対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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巾木、廻り縁の存在理由
サトトミさんこんにちは
パルティータ建築工房の森岡です。
私も設計する中で、巾木、廻り縁を取りたい事は良くあり、質問の主旨は良くわかります。
**巾木、廻り縁の存在理由、その1:施工上の理由
ボードにボードを直角:L形に当てると、ボード端部の直線性、当てられたボードの曲がりにより、不均一にスキマが出ます。
このスキマを隠すのが、巾木、廻り縁の役割です。
必要度合いは、仕上種類に依ります。
クロスや塗装仕上は、下地でスキマができても、パテで埋めてから仕上げるので、廻り縁はなくても施工可能です。
片側がボードでも一方がクロスの場合、クロスを後から施工するので、スキマなく施工可能です。
天井がシナベニヤでは、シナベニヤ目透かしなら、コーナーで目地を取ることでも可能です。
一方、ボード-ボードの場合は、難しいです。
例えば、床:フローリング、壁:OSBの場合、床の平面精度、OSBの直線、直角精度により、スキマをなくすのは至難の業となり、巾木なしは困難です。
**その2:施工後の収縮
施工後に下地が収縮することがあり、廻り縁なしの場合、コーナーが切れることがあります。
通常、大きなクラックではなく、シールで補修します。
**その3:生活上の必要性
巾木のもう一つの存在理由は、掃除をするときに壁最下部を傷めやすいことです。
壁-床コーナーは入り隅なので、ゴミが溜まりやすく取りにくいので、無意識のうちに掃除機を壁にぶつけたり、ゴシゴシこすったりしています。
その結果、傷をつけやすいのです。
私は以前集合住宅のエントランスホールを巾木なしにしたことがありますが、完成後行ってみたら、見事に巾木に相当する部分の色が変わっていました。
回転式の掃除機で壁下部をこするからです。
住宅の場合はこれ程ではありませんが、傷はつきやすく、巾木は付ける方が良いと思います。
参考にしていただけたら幸です。
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この回答の相談
現在、新築中です。
その工程のなかで廻りブチと幅木の選定をしなくちゃいけないのですが、悩んでます。
お願いしている建築さんと材料屋さんの営業の話だと、通常だと木の家の場合、多少動い… [続きを読む]
サトトミさん (福島県/33歳/男性)
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