対象:企業法務
一方的な契約解除について
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ご心労のことと存じます。
実際の契約書の内容と、メールのやりとりの内容を確認しなければ正確な判断はできませんが、以下、ご相談内容に書かれている範囲内で回答させていただきます。
もし、あなたに契約違反があれば、相手方は契約違反を理由に契約解除ができることは言うまでもありません。
ただ、注意しなければならないのは、契約違反がなくても解除できる場合があることです。民法651条1項は、「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と規定していますので、委任者は、いつでも、なんら理由がなくても解除をすることができるのが原則です。ただし、もし、「委任者から一方的に解除できない」旨の特約がつけられていれば一方的解除はできません。ご相談の内容を拝見しますと「途中解約はない」旨のメールがあるとのことですので、このメールで特約の存在が証明されて解除が無効となる可能性はあります。
さらに、仮に、契約解除が認められたとしても、相手方に損害賠償を請求できる余地があります。民法651条2項は、相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは損害賠償しなければならないとしているためです(ただし、やむを得ない事由があった場合は別です)。
なお、最高裁昭和58年9月20日判決を参考までにあげておきます。これは税理士顧問契約が民法651条1項によって任意に解除できるか否か等が争われた事案で、最高裁は、「委任契約は、一般に当事者間の強い信頼関係を基礎として成立し存続するものであるから、当該委任契約が受任者の利益をも目的として締結された場合でない限り、委任者は、民法651条1項に基づきいつでも委任契約を解除することができ、かつ、解除にあたっては受任者にその理由を告知することを要しない」と判示しています。この最高裁判決によれば、「委任契約が受任者の利益をも目的としている場合」には解除できない、ということになります。
評価・お礼
ケンケン2165 さん
大変参考になるご回答有難うございました。感謝申し上げます。
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この回答の相談
お世話になります。
一応、訴訟を前提で考えておりますのでどなかたに依頼する可能性が高いことを踏まえてご回答賜りたく存じます。
現在、あるコンサルティング会社と1年間更新の顧問契約をしています… [続きを読む]
ケンケン2165さん (東京都/37歳/男性)
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