対象:住宅設計・構造
古民家は究極のリサイクル住宅(その1)
古未来工房の藤倉です。
「古民家再生」には、大きく分けて3つあります。
1.現地再生
場所を移動せず、その場で再生させること。(減築も含む)
基本的に、構造材や造作材、その他使用できる部位はすべて修復し使用します。
(地元で育った木でられており、風土にあった理想的再生)
2.移築再生
自分の希望する土地に古民家を移動し、再生させること。
基本的に、構造材を中心に、再使用できるものはすべて利用する。
3.部分再生
移築再生の一つで、部屋単位で新築物件に組み入れ、再生させること。
現在残っている古民家のほとんどは江戸後期から昭和初期(約S20頃まで)に建てられた
もので、継手や仕口は金物を使わずすべて手刻みで加工しおり、貫工法で地震に対しては揺れて地震の振動を吸収する軸組伝統工法です。
現在の住宅は建築基準法により耐震性を増すため、必要な壁量や筋交いを設けることで、固めて守る家づくりが主流になっています。
古民家再生のメリットとしては、
1.家族の思いを住み継ぐ長寿命住宅である。(究極のリサイクル住宅)
2.仮に地震で傾いても、「建ておこし」という技術で元通りに再生できる。
3.その土地で培われた風土の中にふさわしい家づくりが広がることで
美しい街並みが生まれ、町興しの一環にもなる
いまではめったに入手できない太い木材(広葉樹が多い)で構成されており、よく乾燥されていて材の狂いが非常に少なく丈夫です。柱や土台は腐食している場合が多いですが、痛んでいるところを据え換えたり、根継ぎしたりして再生できます。
100年もった家は手直しすればまた100年もつといわれているゆえんです。
今壊してしまえば二度と再生できない日本が世界に誇る貴重な住文化なのです。
補足
(費用について)
古民家再生は現地再生、移築再生、部分再生と、どのケースにするかによっても変わってきますし、例えば現地再生でも、建物の痛み具合やそこにお住まいになる方の要望によっても大きく変わってきます。
また解体につては(移築、部分再生)、柱や梁にすべて番号をつけてから、職人の手で一つ一つ丁寧に再生させるための解体を行なうため通常のミンチ解体の約1.5倍から2倍といわれています。ただ建築費全体としては、いろいろな工夫でコスト削減もできるかと存じます。いずれにしても、古民家再生の際は、特に工事に入るまでに十分な調査と費用の検討が大切です。
(依頼について)
古民家再生についての依頼先を検討する前に、まずは古民家再生についてじっくりと
学ぶことが大切だと考えます。その中で再生された後の住まいでどのように暮らしていくかをイメージし、同時に自ら体を動かし、色々な古民家再生の勉強会に参加するなど
積極的に動くことで信頼できる依頼先がきっと見つかることと思います。
御参考として、私も入っております以下のNPO団体を御紹介いたします。
日本民家再生リサイクル協会(JMRA)(1997年設立)
特定非営利活動法人(NPO)
http://www.minnka.jp/
東京都千代田区6番町1-1
電話03-5216-3541
FAX03-5216-3542
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この回答の相談
「古民家再生」という言葉をよく聞きますが、具体的にどういった家づくりのことなのでしょうか?家づくり・住まいづくりの違い、メリット、費用、依頼にあたっての注意点など教えてください。
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
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