対象:住宅設計・構造
中舎 重之
建築家
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南北ひな段での擁壁
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擁壁の所有と管理責任について、お話します。
南側の擁壁は、お客様の所有地の中に造られています。
当然、管理責任(修繕負担)はお客様です。
北側の擁壁は、市道と平行であれば、市の所有地に造られていると思われます。
管理責任は、市役所が負います。
簡単な話が、お客様が購入される土地の測量図に、
詳細で、明確な情報として、所有が区画され明記されています。
まずは最初に、確認されるべき重要事項ですので、書類を閲覧して下さい。
北側の市道から出入りするのであれば、市道と建物の2階床との高低差1.3mに、
アプローチを架ける必要があります。
市の擁壁に荷重を掛けない方法で、建物から鉄骨造にて架台を造ります。
当然、役所と相談して、アプローチの許可と、擁壁に荷重を掛けない構造の承認を得て下さい。
これらは全て、設計以前の事前に計画したものを、役所に提示して相談すべき事項です。
後手に廻すと、役所の心証を悪くし、時間がかかる様になりますので、注意して下さい。
2015.1.14 中舎重之 Fax:046-263-9324
評価・お礼
まっすん0707 さん
2015/01/14 22:46
アプローチの許可なども必要だとは知りませんでした。
役所との関わりについても思い及びませんでしたので、勉強になりました。
ありがとうございました!
中舎 重之
2015/01/15 10:04
建物と基礎の話です。当方のコラムに「強い家造り」があります。
基礎編の7~8ページに、擁壁と建物との関連を記しています。参考にして下さい。
南側の盛土と北側の切土を意識して、建物を計画する話です。
南側の盛土には荷重の軽い平屋、北側の切土には荷重の重い2階建てとして下さい。
平屋と2階建てを繋ぐ基礎は、計算により安全を確認した設計をして下さい。
地盤に建物の荷重が掛かると、盛土部分は沈下し、切土部分は沈下しないので、
建物が南に傾斜する現象が起きます。それも、新築して3~5年以内に起き始めます。
不同沈下と云い建物にとって、最悪な状況が生じます。
現代でも、不同沈下を是正できる技術がないからです。
横浜での大手建設会社の手になる新築大規模マンションが不同沈下で、
建て替えになるニュースが昨年、報道されました。
不同沈下の原因が、一部の杭が堅い支持地盤に届いていない事によります。
それにより、建物が傾斜しました。
基礎の話です。安易な地盤改良や杭基礎では、処理出来ない事は明白です。
ハウスメーカーや、工務店は、基礎を「ベタ基礎」にすればOKと云いますが、
当方の眼から見れば、まったくのNGになります。
なぜなら、「ベタ基礎」を正しく計算して設計し、間違いのない配筋と、
設計の意図を把握したコンクリート打設が出来ない事が明白だからです。
業者の大多数は、経験の延長線で、見よう見まねの正しくない「ベタ基礎」を施工しています。
盛土部分には、建物は建てないのが、最良の選択になります。
地盤調査により、盛土と切土の境界線を完全に把握して建物の計画をして下さい。
設計は、構造計算が出来る設計事務所を選ぶのがポイントになります。
地盤調査のデータが読めるのが、設計事務所の最低条件になると思って下さい。
以上です。 中舎重之
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この回答の相談
千葉県で南に開けているひな段の土地の購入を考えています。
南側は下に195cm下がっていて平屋が建っています。北側は195cm上がっていて、市道(自転車と人が良く通る2m程の道路)です。
旗竿状の… [続きを読む]
まっすん0707さん (千葉県/36歳/女性)
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