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閲覧数順 2024年06月19日更新

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塩漬けの工業団地が熱い!ですが…

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こんにちは、石橋です。

最近はメガソーラーに関するニュースがとても多くなりました。

私に言わせれば遅すぎる気もしますが、それでも太陽光発電がいよいよ本格的に動き出したことを考えると、遅くても大歓迎です。

 

さて、今回私が注目した記事はコレです。

メガソーラー:「塩漬け」の工業団地に脚光(毎日新聞)

http://mainichi.jp/select/news/20120827k0000m020105000c3.html

 

日本全国には、工業団地と呼ばれるような施設がたくさんあります。

簡単に言えば、工業用地を造成して、そこに工場を誘致するというものです。

たいていは地方のかなりへんぴなところにあって、そういう産業振興策がないと何も無いようなところです。

工業団地という発想が誕生した当時は、比較的便利な場所が多かったことや需要が安定していたこともあって、誘致はうまくいくケースが多かったのですが、その後同じような工業団地が山のように誕生し、やがて供給過剰となりました。

 

そうなった後の流れというのは、お決まりのコースです。

 

おバカな役人たちは「工業団地に企業を誘致して税収増、地域振興」という中身のない開発を推し進め、日本全国には数え切れないほどの不良債券化した「工業団地のなれの果て」があります。

 

皆さんも、新しくできた高速道路などを走っていて、突然山奥に人工的に造成された広大な土地を見たことはありませんか?

それも、もしかしたら「ナンタラ工業団地」として造成したものの、進出する企業が全くなく、広大な荒野を作ってしまっている代物かも知れません。

 

すでに需要は頭を打っているのに、開発をしなければならない、予算を消化しなければならないという悪習によって続々と誕生する荒野。

いい加減にこういうことはやめにしたらどうかと思います。

最近、大阪維新の会のように日本全国で起きている政治的新勢力の台頭は、こうした国民の声を代弁していることで支持を集めているというのに。

 

それはいいとして、そんなもはや荒野と化した工業団地に、新しい動きが見られるようになりました。

それは、メガソーラーの建設用地としての活用です。

 

メガソーラーというのは、何万キロワットという規模で発電をする、太陽光発電所です。

すでに海外にはとてつもない規模のメガソーラーが営業運転をしており、日本国内でも徐々に規模を拡大しつつあります。

 

メガソーラーの建設には、太陽光パネルを並べるための広大な土地と、そこで発電された電力を運ぶための送電線が必要です。

工業団地は、工場を誘致するために造成した土地ですから、当然ながら大量の電力を使うことを想定した送電線があります。土地と送電線がすでに揃っているということで、今や工業団地と称する荒野や、メガソーラーの用地として熱い視線の的になっているのです。

 

この毎日新聞の記事によると、すでに全国各地の工業団地でメガソーラー計画が進んでいるようで、太陽光発電で一旗揚げようとしているソフトバンクも、すでに工業団地の商談を進めているそうです。

 

固定価格による買取制度も始まっているので、後は用地と送電線の設備さえあれば事業化できるという段階に来ているので、こうした動きは当然のことでしょう。

いずれにしても、国民の税金を使って続々と誕生させてきた荒野が、このように活用されるのはとても良いことです。

 

メガソーラー用地としての活用が決まっている工業団地を擁する地方自治体の担当者は、税収増が見込めることや、工業団地の有効活用につながるとしてホクホクだそうです。

 

…と、ここまではいいのですが。

 

これって、ただの結果オーライじゃありません?

すでに日本国内の工業用地需要というのは頭を打っていて、生産拠点が続々と海外に移転しているというのに、何の戦略も見込みもないまま、ただ予算を使うために造成され続けてきた工業団地。

いえ、私はあえて荒野と呼びます。

 

この荒野を作るのに、いったいどれだけの税金がドブに捨てられてきたことか。

それでも都合の悪いデータを隠して、予算を垂れ流し続けてきたのはいったい誰なんでしょう?

 

そんなどうしようもない不良債権に、突然現われた白馬の騎士。

これでめでたし、めでたしとしてしまうと、またぞろ同じような不良債権が日本全国に誕生してしまう土壌を残してしまうことになります。

 

メガソーラーは大歓迎です。

まだまだ作る必要があると思います。

しかし、工業用地をメガソーラーという目的外使用する場合には、そうなった経緯をしっかりと説明し、責任の所在を明らかにする必要は絶対にあると思います。

 

おバカ役人のチョンボが誰も知らないところで帳消しになるのを、多くの人がちゃんと知っておく必要があります。

維新の会のような改革勢力には、そういった点の検証も期待したいと思っています。

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株式会社和上ホールディングス 代表取締役

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