- 石橋 大右
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
- 大阪府
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
福島県南相馬市。
この地名は、ある時期までほとんどの人にとって知らないものだったかも知れません。
そう、あの3月11日までは。
福島県の南相馬市は太平洋沿岸にある都市で、東日本大震災で大きな被害を受けたことで一躍その名前が全国に知られることとなりました。
さらに、この南相馬市は福島県内にあることから福島第一原発の事故による被害も受けたということで、まさに二重の苦しみを余儀なくされている地域です。もっとも、原発事故による立入禁止区域にはなっておらず、現在も自由に人が入ることができますが、そこはやはり風評被害により、今もなお放射能汚染されているという誤った情報が復興の大きな妨げになっています。
さて、そんな南相馬市では復興だけでなく太陽光発電事業の観点からも非常に興味深い計画が発表されました。
その名も、「環境未来都市計画」。
何だか、名前を見ただけでもワクワクします。
この計画の内容を簡単に解説すると、地震被害によって壊滅的な状態になっている地区も含め、この南相馬市を太陽光発電を中心としたエネルギー循環型都市として生まれ変わらせようというものです。
その中核になるのが、メガソーラー(大規模太陽光発電所)です。
家庭用の太陽光発電のように屋根に取り付けるという小規模なものではなく、被災によって広大な空き地になってしまった土地などを利用して太陽光パネルを敷き詰め、そこで発電をして送電をします。
現在すでに東芝と共同プロジェクトが立ち上がっており、それによると総発電能力は100メガワット級になるそうで、2年後の2014年に運転開始となるよう、現在着々と計画が進められています。
ところで、現在日本国内ではメガソーラー設置の機運が高まっており、他の地域にも同様の動きが見られます。静岡ではすでに営業運転しているメガソーラーがありますし、鹿児島では70メガワット級のメガソーラーが計画されています。
ここ南相馬市に誕生するメガソーラーは、このどれよりも規模が大きく、日本最大の太陽光発電所となる予定です。
しかも、南相馬市の壮大な計画はこれに留まりません。
バイオマス発電や風力発電などを組み合わせ、発電能力をさらに増強することもすでに計画に盛り込まれています。
しかも、最終的には太陽光発電も倍の200メガワットにまで増強するそうで、こうなると南相馬市は一大発電都市となります。しかも、その発電エネルギーは全て再生可能エネルギーなので、CO2排出や環境破壊、さらには放射能漏れのリスクもないのです。
震災ですっかり風景が変わってしまった東北地方を、私も自分の目で見ました。
これが元の姿になるには、いったいどれくらいの時間が掛かるのだろう?
途方もない作業に思えました。
しかし、こうして現実に被災地が動き出しています。
しかも、元の姿に戻ることを目指すのではなく、元の姿よりも素敵な町になろうとしています。
この計画の最終目標は、南相馬市で必要とする電力の半分をこうした再生可能エネルギーによる発電でまかなうことです。
世界各国でも同様の計画が進行しているので、南相馬市が日本の環境産業最前線になるかも知れません。
このコラムの執筆専門家
- 石橋 大右
- (大阪府 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社和上ホールディングス 代表取締役
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