ペットのいる生活

先日十数年飼っていたネコが老衰で死にました。私はペットを家族とは思っていませんので、特別に死を悼むと云う感情は沸きませんでしたが、娘達はしばらく泣いていました。

これが犬だともっと違った気持ちが沸いていたと思います。ネコは犬に比べ野性味があると云うか、人に媚びないところがあります。自分が何かして欲しい時は上手に人間を使うくせに、自分が気に入らなければ人間の行動なんて全く関心がありません。人間の生活とは関係の無いネコの生活があるみたいです。
そんな、ある意味気高くも思えるネコの性格が好きで、今まで何匹も飼いました。

家の中に自分の意思とは無関係に動くものがある生活は良いものです。特に小さいお子さんのいる家や、高齢者しかいない家には情緒的に安定感をもたらします。脳に良い刺激を与えてくれるみたいです。残飯を始末してくれますし、躾さえすれば下の世話も簡単です。機会があればまたネコを飼いたいと思っています。

一つ厄介な事は、ネコは野性味が強い分、家の外と中を行ったり来たりする事でしょうか。野良猫と喧嘩したりノミをうつされたりするのが嫌で、室内でネコを飼う人もいますが、これはネコの尊厳を冒涜しているみたいで気が進みません。また、条例でネコに首輪とリードで犬みたいに拘束することを定めている行政もある様ですが、幸い我が町はネコには寛大です。
その為、ネコと人間の間にコミュニケーションが発達し、窓の前にガラスを向いて座れば「外に出せ」のサイン、網戸をトントンと叩けば「家に入れろ」のサインと云う風に会話が成立するようになります。

家にネコの出入り口を造ってくれと云う依頼を稀に聞くことがあります。そんなときは換気口を改造してネコの出入り口を造ったりしますが、人の狙い通りにそこからネコが出入りしてくれるとは限りません。また飼いネコだけが出入りするとも限りません。そこがネコの可愛いところであり癪に障るところです。

ただ人の意思と無関係に動くものと云えば最近はお掃除ロボットもそうです。私の知り合いはお掃除ロボットを気に入っていて、勝手に名前をつけて擬人化していたりします。ペットロボットの様な無意味な存在の様に思えるものでも人の心を和ませる不思議な力を持っているのですね。