住宅の価格を表現する方法として坪単価があります。坪単価に延べ坪を掛けると建物総額が出ると云うのが一般的な坪単価の考えです。
しかし、世の中が複雑になるにつれ、坪単価の意味合いが異なってきています。建物総額の意味するところは、建築主から見れば引越しさえすれば、照明・空調は別にしてもとりあえずは住める状態と云うのが相場かと思います。
しかし施工者サイドからはそうは見えません。建物は土地があることが大前提ですが、その土地に掛かる費用は条件によってバラバラなのです。浄化槽が必要になったり、擁壁が必要だったり、水道の引き込みが無かったりする土地もあります。これらを含めて坪単価を出すとバラツキが多すぎて合理的ではありません。
ですので土地に掛かる費用は全て別途工事の計上になります。
また、諸申請手続きも別途扱いです。
また、床面積の解釈も違います。建築主は建築確認申請書等に記載されている床面積がローン申請等でも用いますので、それが普通かと考えますが、施工者は吹き抜けや玄関ポーチと云った法律で床面積の対象とならない部分も施工床面積として計上します。工事費が同じでも床面積が増えれば坪単価は下がります。
見積り書の書き方が最近は巧妙になっていますので、建物の価格は総額を確認するまで、業者決定は控えられた方が無難です。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
「●家を建てよう!!」のコラム
建築条件付土地分譲の弊害を考える(2017/04/07 15:04)
秀光ビルドの家を調査しました(2017/03/27 12:03)
防火構造と準耐火構造(2017/02/09 08:02)
火災対策(2017/02/04 11:02)
割安なハウスメーカーは?(2017/01/11 09:01)
このコラムに関連するサービス
住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案
- 料金
- 無料
経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。
このコラムに類似したコラム
ケーススタディー 二階リビングのローコスト住宅 福味 健治 - 建築家(2012/06/06 09:00)
住まいづくりとリフォーム、みんなが聞いてみたいこと。 富樫 孝幸 - 建築家(2010/08/09 11:10)
【天遥かな家】作品が掲載されました 西島 正樹 - 建築家(2023/11/28 20:12)
【森を招く家】のPhotobookをアップしました 西島 正樹 - 建築家(2023/11/16 13:52)
【フラッツ5+1】作品が掲載されました 西島 正樹 - 建築家(2023/06/15 12:58)