●上町断層帯がズレ始めている
南海地震の被害より大きな被害が予想される、上町断層帯に危険な兆候が現れはじめています。
●2011.10.14 サンケイ新聞
大阪府を縦断する「上町断層帯」の一部で、断層が平行にずれる「横ずれ断層」型の微小地震が集中的に発生していることが、産業技術総合研究所の研究チームの調査で分かった。
横ずれ断層型の微小地震の頻発は、大規模地震の引き金になる可能性が指摘されている。
調査したのは、産総研の地震発生機構研究チームで、平成14年6月~平成23年1月の約9年間に、産総研などが観測した上町断層帯付近で起きた地震のデータを収集し分析。
その結果、この間に、深さ20キロより浅い震源で起きたマグニチュード(M)1以上の地震が計256カ所で確認された。
このうち233カ所を地震のタイプで分類したところ、大半は斜めの断層で乗り上げている側が上方にせり上がる「逆断層」型だったが、弓形になっている上町断層帯が最も屈曲している地域(弓形の頂点付近)では、横ずれ断層型が数十回集中して発生していることが判明した。上町断層帯は、大阪府豊中市から大阪市を経て、岸和田市内までの約42キロにわたって弓形に連なる活断層。国内の活断層の中でも地震発生確率が高い方に属しており、阪神大震災を上回るM7・5程度の直下型地震を引き起こすと推測されている。
府内の住宅密集地を走っているため、巨大地震発生の際の被害が甚大となることは避け難い。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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